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遺伝子の検査をすすめられたら:何を調べるのか、受ける前に聞いておくこと

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

遺伝子の検査をすすめられたのは、医師が成長の経過や診察から特定の病気の可能性を考え、診断を確かめたいと判断したためで、病気が決まったという意味ではありません。受ける前に、どの病気を考えて、どの範囲の遺伝子を調べるのか、結果がどう返ってくるのか、家族に関わることが分かる可能性があるかを聞いておきましょう。受けるかどうかは、説明を聞いたうえで家族が決めてよく、遺伝カウンセリングも利用できます。

遺伝子の検査をすすめられるのは、なぜ?

日本医学会のガイドラインは、すでに症状がある人の遺伝学的検査は、主に、可能性が高いと考えられる病気の確定診断や、見分けるべき病気の鑑別のために行うとしています。そして、検査の確かさや、結果が診療に役立つかを確かめたうえで、有用と考えられる場合に提案し、説明と同意のうえで行うとしています。

低身長の診療では、体のつりあいの特徴、身長以外の症状、家族の様子などから、ヌーナン症候群やSHOX異常症などが考えられたときに、検査がすすめられることがあります。どんな場面で検査が考えられるか、検査にどんな種類があるかは「低身長で染色体や遺伝子の検査をするのはどんなとき?」のコラムで説明しています。このコラムでは、すすめられたあとに確かめたいことを中心に説明します。

出典 [1] [2]

「何を調べる検査か」で、何が変わる?

遺伝子の検査には、特定の1つの遺伝子を調べるものから、関係しそうな複数の遺伝子をまとめて調べるもの、さらに広い範囲を一度に調べるもの(網羅的な検査)まであります。日本医学会のガイドラインは、複数の検査や網羅性の高い検査が必要な場合には、検査の順番や、調べる範囲と限界を医師が判断したうえで行うとしています。

調べる範囲が広いほど、原因が見つかる見込みが上がることがある一方、意味のはっきりしない変化や、もともと調べようとしていなかったことが見つかる可能性も増えます。「どの病気を考えて、どの遺伝子を調べるのか」は、最初に聞いておきたい大切な点です。

出典 [1]

結果には、どんな出方がある?

遺伝子の検査の結果は、ふつう「見つかった」「見つからなかった」の2つだけではありません。おおまかには、次の3つの出方があると考えておくと、結果を聞く日に戸惑いにくくなります。

日本医学会のガイドラインは、診断は遺伝学的検査の結果だけで行うのではなく、診察などの情報を含めて総合的に行うべきだとしています。また、新しく見つかった変化のように病気との関係を決めにくい場合などは、意味を慎重に判断し、解釈が変わりうることも必要に応じて説明するとしています。

結果の出方意味その後に考えること
病気の原因と考えられる変化が見つかった考えていた病気の診断の大きな手がかりになる病気の経過、治療、身長以外に確かめること、家族への影響
原因と考えられる変化が見つからなかった調べた範囲には見つからなかったという意味で、病気がないとは言い切れない経過を見るか、別の検査を考えるか
意味がはっきりしない変化が見つかった病気と関係があるかどうか、今の知識では決められない診察の情報と合わせた判断、将来の解釈の見直し

出典 [1]

思っていなかったことが分かることもある?

広い範囲を調べる検査では、身長とは関係のない病気に関わる変化が見つかることがあります。ガイドラインはこれを「二次的所見(偶発的所見)」と呼び、こうしたことが起こりうる検査では、実施する前に、見つかった場合に伝えるかどうかの方針を決めて、十分に説明しておくことが望ましいとしています。見つかった場合は、本人や家族に伝えてほしいかを確かめたうえで、伝えるかどうかを検討するとしています。

検査によっては、両親の血液も一緒に調べることがあります。たとえば、原因の分からない病気の遺伝子を調べる研究(IRUD)では、子どもと両親から採血してDNAを調べると国立成育医療研究センターは説明しています。両親を調べると、親も同じ変化を持っていることなど、親自身に関わることが分かる場合もあります。両親の検査が必要かどうかと、その理由も聞いておきましょう。

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受ける前に、何を聞いておけばよい?

日本医学会のガイドラインには、検査の前に説明する事項の例が示されています。それをもとに、保護者が聞いておきたいことを次にまとめました。すべてを一度に聞く必要はありません。気になるものに印をつけて、診察に持って行きましょう。

出典 [1]

子どもにはどう説明する?受けないこともできる?

子どもの検査では、保護者が代わりに同意します。ガイドラインは、その場合でも子どもの理解の程度に合わせて説明し、本人の了解(インフォームド・アセント)を得ることが望ましいとしています。日本小児科学会の「医療における子ども憲章」も、子どもが年齢や発達に応じて分かりやすい説明を受け、自分の気持ちや意見を伝えられるようにすることを求めています。「体の設計図のようなものを調べて、背の伸び方の理由を探す検査だよ。痛いのは採血だけだよ」のように、身近な言葉で伝えてみましょう。

ガイドラインは、検査を受けるかどうか、途中でやめるかどうかは自由で、結果を聞かないことも選べるとしています。また、そうした選択をしても、その後の医療で不利な扱いを受けないとしています。迷うときは、選択肢ごとのよい点と気になる点を、分かりやすく説明してもらいましょう。

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遺伝カウンセリングは、どこで受けられる?

日本遺伝カウンセリング学会は、遺伝カウンセリングを、科学的根拠にもとづく正確な医学的情報を分かりやすく伝え、心理面や社会面も含めて支援するものだと説明しています。臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが担当します。

同学会は、まずかかりつけの医療機関で相談することを勧めています。特定の遺伝性の病気の検査に伴う遺伝カウンセリングは、保険が使える場合があるとしています。臨床遺伝専門医の一覧は、臨床遺伝専門医制度委員会のウェブサイトで公開されています。検査をすすめた医師に、院内で受けられるかを尋ねるのが近道です。

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検査をしても診断がつかないときは?

いくつかの検査をしても原因が分からない場合に、研究として遺伝子を広く調べる取り組みもあります。国立成育医療研究センターは、原因や診断が分からない患者さんのDNAを調べ、診断の手がかりを探す全国規模の研究プロジェクト(IRUD)を紹介しています。主治医を通して参加するしくみで、この研究での解析について、患者さんや家族の費用の負担はないとしています。

研究への参加は、ふだんの診療の検査とは目的や結果の返し方が違うことがあります。参加を考えるときは、主治医に、参加のしかたと結果の扱いを確かめてください。

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検査を受けるか迷うときは?

ノビケアのオンライン診療では、染色体や遺伝子の検査は行っていません。成長の記録や診察から、こうした検査が必要と医師が判断した場合は、対面で検査や遺伝カウンセリングを受けられる医療機関をご紹介します。身長の伸び方について改めて相談したい場合は、医師による無料相談(ビデオ通話)でお話をうかがいます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。

出典 [7]

遺伝子の検査をすすめられたときによくある質問

Q. 結果が出るまで、どのくらいかかりますか?

A. 検査の種類や依頼先によって大きく違います。目安と、結果を聞く日の予定を、検査を受ける医療機関で確かめてください。待つあいだの過ごし方は「検査結果が出るまでの数週間が不安」のコラムで説明しています。

Q. 「意味がはっきりしない変化」と言われたら、どうすればよいですか?

A. ガイドラインは、医学の進歩とともに結果の意味が変わりうるとしています。今後の診察で、解釈を見直す機会があるかを主治医に確かめておきましょう。

Q. 結果を学校や親せきに伝える必要はありますか?

A. 遺伝の情報は、本人の大切な個人情報です。ガイドラインは、医療者は検査を受けた人の同意なく、血縁者を含むほかの人に結果を伝えるべきではないとしています。家庭でも、だれに伝えるかは、子どもの気持ちも聞きながら決めましょう。

出典 [1]

まとめ

遺伝子の検査をすすめられたら、どの病気を考えてどの範囲を調べるのか、結果がどう返ってくるのか、家族に関わることが分かる可能性があるかを、受ける前に聞いておきましょう。受けるかどうかは説明を聞いて家族で決めてよく、迷うときは遺伝カウンセリングも利用できます。

出典 [1] [5]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(2022年3月改定、PDF)
  2. 日本小児内分泌学会 SHOX異常症の診断・治療指針ワーキンググループ「SHOX異常症の診断・治療指針〜SHOX異常症に対する成長ホルモン治療の適正な使用のために〜」(PDF)
  3. 国立成育医療研究センター「IRUD-P」(未診断疾患イニシアチブ:原因や診断が分からない患者さんのDNAを調べる全国規模の研究)
  4. 日本小児科学会「医療における子ども憲章」(2022年3月、PDF)
  5. 日本遺伝カウンセリング学会「遺伝カウンセリングQ&A」
  6. 臨床遺伝専門医制度委員会「臨床遺伝専門医・指導医・認定登録医一覧」
  7. ノビケア「お問い合わせ」