成長ホルモン治療読む時間 約6分
注射したところが赤い・かゆい:様子を見てよいときと、主治医に伝えるとき
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
注射したところが少し赤くなったり、かゆくなったりすることは、成長ホルモンの添付文書にも書かれている反応です。小さな範囲で、広がらずに数日のうちに引いていくものは、様子を見てよいことが多いと考えられます。赤みが広がる、毎回くり返す、打った場所の外にもかゆみや発疹が出るときは主治医に伝え、体じゅうのじんましんや息苦しさがあるときはすぐに119番に連絡してください。
注射したところが赤い・かゆいのは、よくあること?
成長ホルモン製剤の添付文書には、注射した場所の反応として、赤み、痛み、熱っぽさ、硬くなることなどが挙げられています。また、過敏症として、かゆみ、発疹、じんましん、赤みが書かれている製剤もあります。注射のたびに皮膚に針を刺すので、打った場所に何らかの反応が出ること自体は、珍しいことではありません。
注射のあとの出血やあざについては「注射のあとに血が出た・あざができた・赤くなったときは?」のコラムで説明しています。このコラムでは、赤みやかゆみに絞って、原因の考え方と、家で確かめることを紹介します。
赤みやかゆみには、どんな原因が考えられる?
赤みやかゆみの原因は、お薬そのものとは限りません。注射の前に皮膚をふく消毒綿や、打ったあとに貼るばんそうこうが原因のこともあります。日本アレルギー学会は、かぶれ(接触皮膚炎)の原因になるものとして、ばんそうこうなどの樹脂製品や、ウェットティッシュなどの抗菌製品、塗り薬などの医薬品を挙げています。
厚生労働省の副作用についての手引きでは、かぶれには、だれにでも起こりうる刺激によるものと、特定の人にだけ起こるアレルギーによるものがあると説明しています。また、消毒に使う薬でかぶれることがあるとしています。考えられる原因を整理すると、次のようになります。
- 針を刺したことや、お薬が皮下に入ったことによる注射した場所の反応
- 消毒綿やばんそうこう・テープによるかぶれ
- 同じ場所に続けて打ったことによる皮膚への負担
- お薬の成分に対するアレルギー(頻度は高くない)
かぶれのときは、どんな様子になる?
厚生労働省の副作用についての手引きでは、薬や消毒薬などによるかぶれのサインとして、使ってすぐに「ひりひりする」「赤くなる」「かゆくなって、つけたところにじんましんが出る」こと、または使っているうちにある時から「かゆみや赤みが出る」「ぶつぶつする」「汁が出てくる」ことを挙げています。こうした様子に気づいたら、放っておかずに医師や薬剤師に相談するよう勧めています。
注射のたびに同じ形で赤くなる、しばらく問題なかったのに急にかゆくなった、という変化も、相談するときの大切な手がかりです。
出典 [4]
様子を見てよいことが多いのは、どんなとき?
打った場所だけが小さく赤くなり、数時間から数日のうちに引いていき、ほかに気になる症状がないときは、様子を見てよいことが多いと考えられます。ただし、自己判断で注射を休んだり、塗り薬を使ったりせず、気になる点は次の診察で伝えましょう。下の表は、目安の整理です。
| 様子 | どうするか |
|---|---|
| 打った場所だけが小さく赤い・少しかゆい。数日で引いていく | 記録して、次の診察で伝える |
| 赤みや腫れが広がる、熱をもって強く痛む、うみが出る | 次の診察を待たずに主治医に相談する |
| 毎回同じように赤くなる、かゆみが打った場所の外にも広がる | 次の診察を待たずに主治医に相談する |
| 体じゅうにじんましんが出る、息が苦しい、顔や唇が腫れる、ぐったりする | すぐに119番に連絡する |
出典 [1]
家では、何を確かめておく?
相談するときに役立つよう、次のことを見ておきましょう。写真は、同じ場所を同じ明るさで、できた日と翌日以降に撮っておくと変化が分かりやすくなります。
- 注射してから、どのくらいの時間で赤くなったか
- 赤い範囲の大きさ(ものさしを当てて写真を撮ると分かりやすい)
- 赤みが打った針のあとを中心にしているか、消毒した範囲やばんそうこうの形に広がっているか
- かゆみ、痛み、熱っぽさ、硬さがあるか
- どの場所に打ったときに出やすいか
出典 [4]
かゆいときは、家でどうすればよい?
かきこわすと、皮膚が傷ついて治りにくくなります。爪を短く切り、かかないよう声をかけましょう。市販の塗り薬を使いたいときは、成長ホルモンの治療中であることを伝えて、主治医か薬剤師に相談してから使ってください。患者向けの説明書には、ほかの医師にかかるときや薬局で薬を買うときは、この薬を使っていることを伝えるよう書かれています。
日本アレルギー学会は、かぶれの治療でいちばん大切なのは原因を見つけて避けることだとしています。原因を確かめるために、パッチテストという検査を行うこともあります。
消毒やばんそうこうが原因かもしれないときは?
赤みが消毒した範囲やばんそうこうを貼った形と同じように出ている場合は、それらによるかぶれの可能性があります。ただし、消毒のしかたは注射の手順の一部です。自分の判断で消毒をやめたり、別のものに替えたりせず、主治医に相談しましょう。
打ったあとにばんそうこうを貼るかどうか、貼るならどんなものがよいかも、主治医や処方を受けた医療機関に確かめてください。
赤みをくり返さないために、できることは?
添付文書では、注射する場所を腕、太もも、おなか、おしりなどの広い範囲から選び、順番に移動して、短いあいだに同じ場所に続けて打たないこととされています。打った場所を記録しておくと、替え方を守りやすくなります。
診療ガイドラインの手引きでは、冷蔵する薬は注射の約30分前に冷蔵庫から出して室温にしてから打つのが望ましいとしています。患者向けの説明書にも、薬の温度が低すぎると注射で感じる痛みが強くなることがあると書かれた製剤があります。冷蔵庫から出すタイミングは製剤ごとの説明書に従ってください。場所の替え方は「注射した場所のへこみ・しこりを防ぐには」のコラムで説明しています。
主治医には、何を伝える?
電話やオンラインで相談するときは、いつ、どの場所に打ったあとに、どのくらいの大きさの赤みやかゆみが出たか、どのくらい続いたかを伝えましょう。写真があると、診察で状況が伝わりやすくなります。あわせて、使っている消毒綿やばんそうこうの種類、ほかに使い始めた薬や塗り薬、これまでにかぶれたことのあるものも伝えると、原因を考えやすくなります。
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ノビケアで治療を受けている場合は?
ノビケアで治療を受けている方も、注射したところの赤みやかゆみで気になることがあれば、写真を添えてご相談ください。全身にじんましんが出る、息が苦しいなど急ぐ様子があるときは、ご相談より先に119番に連絡してください。治療を始めるかどうか迷っている段階では、医師による無料相談(ビデオ通話)をご利用いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
注射したところの赤みやかゆみについてよくある質問
Q. 赤くなった日は、注射を休んだほうがよいですか?
A. 自分の判断で休まず、主治医に相談してください。打つ場所を替えて続けるか、休むかは、赤みの様子を見て主治医が判断します。
Q. 冷やしてもよいですか?
A. 家でできる手当ては、まず主治医に確かめてからにしましょう。
Q. 赤みのあとに、しこりやへこみができました。
A. しこりやへこみは、同じ場所に打ち続けたときに起こりやすい変化です。「注射した場所のへこみ・しこりを防ぐには」のコラムを参考に、主治医に伝えてください。
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まとめ
注射したところの小さな赤みやかゆみは、添付文書にも書かれている反応で、数日で引いていくものは様子を見てよいことが多いと考えられます。消毒やばんそうこうが原因のこともあります。広がる、くり返す、ほかの場所にも出るときは主治医に伝え、全身のじんましんや息苦しさがあるときはすぐに119番に連絡してください。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- PMDA「ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル 添付文書」(2026年8月改訂 第3版)
- PMDA「ノルディトロピン フレックスプロ注 添付文書」(2025年9月改訂 第3版)
- 日本アレルギー学会「接触皮膚炎/Q&A」(2024年7月9日更新。ばんそうこうなどの樹脂製品、抗菌製品、医薬品などの原因、パッチテスト、原因を見つけて避ける治療)
- 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎」(患者の皆様へ、PDF。刺激性とアレルギー性のかぶれ、消毒薬によるかぶれ、早期発見のポイント)
- PMDA「患者向医薬品ガイド ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル」
- 間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン作成委員会(厚生労働科学研究班・日本内分泌学会)「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」(日本内分泌学会雑誌 Vol.99 Suppl.、2023年7月、J-STAGE、PDF)
- ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
- ノビケア「お問い合わせ」