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成長ホルモンは血液検査1回で分かる?基準値とIGF-1の見方
公開日:2026年10月27日 更新日:2026年10月27日
成長ホルモンが足りているかどうかは、1回の血液検査では分かりません。成長ホルモンは時間によって出る量が大きく変わり、昼間の値が低いのはふつうのことだからです。ふだんの採血ではIGF-1を目安にし、確かめるときは薬を使う分泌刺激試験を2種類以上行います。
成長ホルモンは、1回の採血で分かりますか?
分かりません。成長ホルモンは一日中同じ量が出ているわけではないからです。
厚生労働省のe-ヘルスネットは、寝入ってすぐの深い眠りの時期に一致して、成長ホルモンが分泌されると説明しています。夜にまとまって出て、昼間はほとんど出ていない時間も長くあります。
外来の採血は、たいてい昼間です。そのときにたまたま低くても、夜にしっかり出ていることは多くあります。反対に、たまたま波の高いところで採血すれば、高めに出ます。
1回の値は「その瞬間の量」にすぎません。足りているかどうかは、別の方法で確かめます。
報告書にあるGHの「基準値」は、何を表していますか?
検査の報告書には、GH(成長ホルモン)の値の横に基準値が書かれていることがあります。たとえば浜松医科大学医学部附属病院の検査部の一覧では、GHの基準値は男性2.47ng/mL以下、女性0.13〜9.88ng/mLと、年齢で分けずに示されています。
これは、多くの人の値が入る範囲を示したものです。子どもの成長ホルモンが足りているかを判断するための線ではありません。
そのため、昼間のGHが基準値の下限くらいでも、それだけで「成長ホルモンが足りない」とはなりません。「L(低い)」の印がついていなくても、足りていると言い切れるわけでもありません。
GHの値が気になったときは、その数字より、身長の伸び方とIGF-1をあわせて見てもらってください。
出典 [3]
IGF-1は、なぜ目安になるのですか?
IGF-1(ソマトメジンC)は、成長ホルモンの働きを受けて主に肝臓で作られる物質です。日本小児内分泌学会は、成長ホルモンが肝臓に働いてIGF-1を作らせ、血液中に出させると説明しています。
IGF-1は、成長ホルモンほど大きく上下しません。いつ採血しても、成長ホルモンがふだんどのくらい働いているかの目安になります。ふだんの採血で成長ホルモンそのものよりIGF-1を測るのは、このためです。
IGF-1の基準値は、年齢でどのくらい変わりますか?
大きく変わります。同じ一覧では、IGF-1の基準値を年齢と性別ごとに分けて示しています。
男の子では、8歳が72〜292ng/mL、13歳が133〜579ng/mLです。女の子では、8歳が111〜438ng/mL、12歳が188〜654ng/mLです。思春期に入るころから、上も下も大きく上がっていきます。
つまり、同じ「150」という値でも、8歳なら真ん中あたり、13歳なら下のほうです。結果を見るときは、まず「何歳・どちらの性別の基準と比べたか」を確かめてください。
思春期の進み方によっても値は変わります。同じ年齢でも、思春期が早く来た子は高めに、遅い子は低めに出ます。医療機関によっては、同じ年齢・性別の平均からどれだけ離れているかを、SDという単位で示すこともあります。
基準値は、測る検査の方法によっても違います。ほかの医療機関の結果と比べるときは、数字だけを並べず、それぞれの基準と比べてください。
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IGF-1が低めと言われたら、成長ホルモンが足りないのですか?
それだけでは決まりません。日本内分泌学会などがまとめた診療ガイドライン(2023年版)でも、IGF-1が年齢・性別の標準より低いことは、診断の「参考所見」の一つという位置づけです。
IGF-1は、成長ホルモン以外の理由でも低くなります。日本臨床栄養学会の指針は、亜鉛がIGF-1を保つことにも関わっているとしています。食事の量や栄養の状態も、値に響きます。
反対に、IGF-1が基準の範囲に入っていても、伸び方が落ちていれば、ほかの検査を進めることがあります。IGF-1は入り口の目安で、答えそのものではありません。
分泌刺激試験の数字は、どう読みますか?
分泌刺激試験は、薬を使って成長ホルモンの分泌を促し、30分ごとなどに何回か採血して、いちばん高い値(頂値)を見る検査です。
日本小児内分泌学会の診断の手引きでは、インスリンやアルギニンなどを使う試験で、頂値が6ng/mL以下を「出方が低い」としています。GHRP-2という薬を使う試験では、16ng/mL以下です。
健康な子でも、1回の試験だけでは低く出ることがあります。そのため、原則として2種類以上の薬で試験を行い、どちらでも低いことを確かめます。
結果が実際より低く出やすい状態もあります。同じ手引きは、甲状腺の働きが低いとき、太っているとき、ステロイドなどのお薬を使っているとき、強いストレスが続いているときを挙げ、先にそれを整えてから検査するとしています。
測る検査キットによっても、成長ホルモンの値は変わります。手引きでは、キットごとの補正式で補正した値で判断するとしています。
夜に出ている量を、直接測る方法はありますか?
あります。同じ手引きは、24時間、または夜に寝入ってから3〜4時間の間、20分ごとに採血して平均の値を見る方法を、参考になる所見に挙げています。尿にどのくらい成長ホルモンが出ているかを、2〜3日分の尿で見る方法もあります。
ただ、夜通し何度も採血するのは子どもの負担が大きく、どこでも行う検査ではありません。ふだんはIGF-1と分泌刺激試験を組み合わせて判断します。
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検査結果をもらったら、何を確かめればよいですか?
数字だけを見て一喜一憂しないことが大切です。次の点を、結果の紙と一緒に確かめておくと、説明がぐっと分かりやすくなります。
結果の紙は、身長の記録と一緒に保管してください。次に別の医療機関で相談するとき、前の値と比べる材料になります。
- どの検査の結果か(ふだんの採血か、分泌刺激試験か)
- IGF-1は、何歳・どちらの性別の基準と比べたか
- 採血したころの思春期のサイン(胸のふくらみ、声変わりなど)
- 採血の前後に、熱や食欲の低下、強いストレスがなかったか
- 同じ時期の1年あたりの身長の伸び
「成長ホルモンは足りている」と言われたら、もう相談できませんか?
相談できます。成長ホルモンが足りていても、身長が低い子はたくさんいます。原因の病気が見つからない低身長(特発性低身長)がその代表です。
ノビケアは自由診療のオンライン外来で、病気ではないけれど身長をもっと伸ばしたい子の相談も受けています。医師による無料相談では、これまでの検査結果と身長の記録を一緒に見て、残りの伸びる期間と選択肢を整理します。
必要に応じて郵送の血液・尿検査を行います。診察や検査で病気が疑われるときは、医師が専門の小児科へご紹介します。
成長ホルモンの血液検査についてよくある質問
Q. 昼間のGHの値が「H(高い)」でした。病気ですか?
A. 採血のときにたまたま分泌の波が重なったことが多く、1回だけでは判断しません。身長が急に伸びすぎる、手足が大きくなってきたといった変化があれば、記録を持って相談してください。
Q. IGF-1が基準の範囲内なら、成長ホルモンは足りていますか?
A. 足りている目安にはなります。ただ、伸び方が落ちているなら、IGF-1が範囲内でもほかの検査を考えます。
Q. 成長ホルモン治療中も、IGF-1を測りますか?
A. 測ります。治療の効き方や量が合っているかを見る手がかりになります。お薬の説明書でも、治療中に血糖や甲状腺の働きを定期的に調べることが求められています。
Q. 採血の前に、朝ごはんは食べてもよいですか?
A. 調べる項目によって違います。予約のときの案内に従ってください。詳しくは「低身長の採血の前に朝ごはんは食べていい?」のコラムで説明しています。
まとめ
成長ホルモンは出る量が時間で大きく変わるため、1回の採血では足りているか分かりません。ふだんはIGF-1を年齢・性別の基準と比べて目安にし、確かめるときは分泌刺激試験を2種類以上行います。検査の結果と身長の記録を一緒に見てほしいときは、ノビケアの医師による無料相談をご利用ください。
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ノビケアの成長ホルモン治療について(自由診療)
ノビケアの成長ホルモン治療は自由診療で、健康保険や医療費助成は使えません。原因となる病気が見つからない低身長への使用は、国内で承認された効能・効果に含まれていない適応外使用です。重い副作用が起きた場合でも、国の医薬品副作用被害救済制度は原則として利用できません。
費用(税込)は、医師による無料相談が0円、医師が必要と判断した場合の郵送検査(指先の血液と尿)が20,000円(送料込み)です。お薬は1本あたり、治療を始める月が40,000円、2か月目以降が60,000円、6か月分一括プランでは50,000円です(注射器・注射針と冷蔵便の送料を含みます)。1か月に使う本数は体重によって変わり、2〜5本が目安です。
注射はご自宅で毎日1回行い、治療は年単位になることが多く、続けるかどうかを定期的に判断します。主な副作用は、注射したところの痛み・赤み・腫れ、関節の痛み、むくみ、頭痛などで、まれに頭の中の圧が高くなる、股関節の骨がずれる、側弯が進む、血糖値が上がる、甲状腺の働きが変わる、といったことがあります。詳しくは「成長ホルモン治療について」のページをご覧ください。ご質問はお問い合わせページから受け付けています。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「ノンレム睡眠」
- 日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
- 浜松医科大学医学部附属病院 検査部「検査部利用手引書 検査項目および基準値」(PDF、2021年4月1日現在)
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- 間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン作成委員会(厚生労働科学研究班・日本内分泌学会)「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」(日本内分泌学会雑誌 Vol.99 Suppl.、2023年7月、J-STAGE、PDF)
- 日本臨床栄養学会「亜鉛欠乏症の診療指針2024」(PDF)
- 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。) 診断の手引き」
- ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
- ノビケア「お問い合わせ」
- 難病情報センター「下垂体性成長ホルモン分泌亢進症(指定難病77)」
- PMDA「ノルディトロピン フレックスプロ注 添付文書」(2025年9月改訂 第3版)