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成長ホルモン治療中の学校生活は?注射の時間、修学旅行や旅行、薬の保管

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

毎日打つ成長ホルモン製剤は、夜寝る前に家で注射するのが一般的なため、学校で注射することはふつうありません。修学旅行や家族旅行では、お薬の冷蔵保管と持ち運び、打つ日の調整を、前もって主治医と決めておくと安心です。冷蔵庫の外に置ける期間や条件は製剤ごとに違うため、自分の製剤の説明書で確かめておきましょう。

学校のある日は、いつ注射する?

毎日打つタイプの成長ホルモン製剤は、日本内分泌学会の説明では、夜寝る前に注射するとされています。学校のある日も、帰宅して夕食やお風呂をすませ、寝る前に打つ流れにすると、学校生活と重なりません。

週1回打つタイプの製剤は、毎週同じ曜日に打つことが添付文書で決められています。学校行事や部活の試合が多い曜日を避け、家で落ち着いて打てる曜日を主治医と相談して決めるとよいでしょう。

部活や塾で帰りが遅くなる日があっても、注射の時間を大きくずらさずにすむよう、家族の中で誰がいつ準備するかを決めておくと続けやすくなります。打ち忘れたときの決まりは製剤によって違います。くわしくは「成長ホルモン注射の打ち方は?」の記事で説明しています。

出典 [1] [2] [3]

学校には伝えたほうがよい?

家で注射している場合、学校に必ず伝えなければならない決まりはありません。伝えるかどうか、どこまで伝えるかは、本人の気持ちを大切にしながら家族で決めてかまいません。子どもによっては、友だちに知られたくないと感じることもあります。

一方で、宿泊を伴う行事のときや、学校で体調をくずしたときに連絡を受けやすくするために、担任の先生や養護教諭にだけ伝えておくという方法もあります。伝える場合は、病気の名前よりも「家で毎晩注射をしている」「宿泊行事ではお薬の冷蔵保管が必要」といった、学校が知っておくと助かる点にしぼるとよいでしょう。

治療中に、強い頭痛、何度も吐く、けいれんなどがあったときは、学校でも家でも、すぐに119番や救急医療機関に連絡してください。治療していることを伝えておくと、受診先で状況を説明しやすくなります。

出典 [4]

体育や部活は、ふだんどおりにできる?

成長ホルモン治療をしていることだけを理由に、体育や部活を控えるよう求める記載は、この記事で確認した製剤の添付文書には見当たりません。ただ、病気の種類や体の状態によって注意が必要な可能性があるため、体育や部活への参加のしかたは、前もって主治医に相談して決めておきましょう。

添付文書には、治療中に起こりうる副作用として、大腿骨の骨頭がずれる病気(大腿骨頭すべり症)や、背骨の曲がり(側弯)が進むことなどが挙げられています。運動のあとに股関節やひざの痛みが続く、足を引きずる、といった様子があれば、けがと決めつけずに主治医に伝えてください。副作用については「成長ホルモン治療の副作用」の記事でくわしく説明しています。

全国大会や国際大会に出る競技をしている場合は、成長ホルモンがアンチ・ドーピング規程の禁止物質にあたるため、事前の手続きが必要になることがあります。「スポーツ選手を目指す子の成長ホルモン治療はドーピングになる?」の記事を参考にしてください。

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お薬は、どう保管する?冷蔵庫の外に置いてもよい?

成長ホルモン製剤は、どれも凍らせないようにして冷蔵庫(2〜8℃)で保管するのが基本です。そのうえで、使い始めてから使い切るまでの期限や、やむを得ず冷蔵庫の外に置ける条件は、製剤ごとに違います。下の表は、各製剤の添付文書の「取扱い上の注意」などの記載をまとめたものです。

冷蔵庫の外に置ける記載がある製剤でも、それは冷蔵できないときのための例外です。ノルディトロピンの添付文書では、いったん冷蔵庫の外で保管した場合は、再び冷蔵庫に戻さないよう指導することとされています。凍ったものや高温の場所に置かれたものは使わないよう書かれている製剤もあります。自分の製剤の扱いは、処方を受けた医療機関や薬局で確認してください。

製剤(販売名)使い始めたあとの期限(冷蔵保管)冷蔵庫の外に置く場合の記載
ノルディトロピン フレックスプロ注(5mg・10mg)35日以内35日を超えない範囲で、25℃以下なら外に出した日から21日以内、30℃以下なら14日以内。外に出したら冷蔵庫に戻さない
ノルディトロピン フレックスプロ注(15mg)35日以内35日を超えない範囲で、25℃以下なら外に出した日から21日以内。外に出したら冷蔵庫に戻さない
ジェノトロピン ゴークイック注用・TC注用溶かしたあと遮光して4週間以内記載なし(溶かしたあと凍った場合は使わない)
グロウジェクト皮下注使用後は遮光して35日以内記載なし
ソマトロピンBS皮下注使用後は遮光して28日以内記載なし(凍結や高温下に置いたカートリッジは使わない)
ソグルーヤ皮下注(週1回)6週間以内冷蔵できないときは、使用前後を問わず、遮光して通算3日間(72時間)まで室温で保管できる
エヌジェンラ皮下注ペン(週1回)ペンキャップをして4週間以内記載なし

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修学旅行や宿泊行事のときは、どうする?

日程が分かった時点で、早めに主治医に相談しましょう。泊数や移動の時間、宿に冷蔵庫があるかによって、お薬を持っていくのか、打つ日や時間をどう調整するのかが変わります。毎日打つ製剤で宿泊行事に参加する場合に、注射を続けるのか休むのかは、自己判断せず、前もって主治医と決めておいてください。

週1回の製剤は、行事の日と注射の曜日が重ならないよう調整できる場合があります。ソグルーヤの添付文書では、曜日を変えるときは前回の注射から少なくとも4日以上あけること、エヌジェンラの添付文書では、変更の前後の間隔が3日以上になるようにすることとされています。自己判断で変えず、主治医に確認してから調整してください。

お薬を持っていく場合は、学校とも相談して、誰がどこで保管し、本人がどこで注射するのかを決めておきます。宿の冷蔵庫を使えるか、プライバシーが保てる場所があるかも、事前に確認しておくと安心です。

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飛行機や海外旅行では、何に気をつける?

国際線では、機内に持ち込める液体物の量に制限がありますが、国土交通省は、医薬品は機内で必要な量に限り制限の対象外としています。保安検査で申告し、処方箋の写し、薬袋、医師の診断書などを示すよう求められることがあります。冷やして持ち運ぶ必要がある薬(インスリンやホルモン剤など)のための保冷剤も、お薬と一緒に医薬品として申し出れば持ち込めるとされています。国内線では、この液体物の制限は行われていません。

厚生労働省検疫所(FORTH)は、預けた荷物はなくなることがあるため、お薬は機内に持ち込む手荷物に十分な量を入れておくよう勧めています。海外では、かかりつけ医に英文の紹介状を書いてもらうこと、国によっては持ち込みが認められない薬があるため、渡航先の在日本大使館や領事館に前もって確認することも勧められています。

時差のある地域へ行く場合、毎日の注射の時間をどう合わせるかは、出発前に主治医と決めておきましょう。

出典 [10] [11] [12]

使い終わった針は、どうする?

環境省の手引きでは、家庭で使った注射針などの鋭いものは、医療機関へ持ち込んで処理する方法が最も望ましいとされています。注射針を処方した医療機関や薬局が回収している地域もありますが、扱いは地域によって違います。

旅行や宿泊行事のときは、使い終わった針をふた付きの容器に入れて持ち帰り、ふだんと同じ方法で処分してください。宿や学校のごみ箱には捨てないようにしましょう。

出典 [13]

治療中の生活で迷ったときは?

学校行事や旅行の予定、部活のスケジュールなど、生活の中で迷うことがあれば、治療を受けている医療機関に早めに相談してください。ノビケアで治療を受けている方も、予定が分かった時点でご連絡いただければ、保管や注射の日程についてご相談いただけます。

出典 [14] [15]

成長ホルモン治療中の学校生活についてよくある質問

Q. 学校で注射しなければならないことはありますか?

A. 毎日打つ製剤は寝る前、週1回の製剤は決めた曜日に家で打つのが一般的なため、ふだんの学校生活の中で注射が必要になることはあまりありません。宿泊行事などで必要になる場合は、主治医と学校に相談しておきましょう。

Q. お薬を冷蔵庫に入れ忘れて、ひと晩出しっぱなしにしてしまいました。

A. 冷蔵庫の外に置ける条件は製剤ごとに違い、記載がない製剤もあります。使ってよいか自分で判断せず、処方を受けた医療機関や薬局に問い合わせてください。

Q. 友だちに注射のことを聞かれたら、どう答えればよいですか?

A. 話すかどうかは本人が決めてよいことです。話したくないときの答え方を、家で一緒に考えておくと安心できる子もいます。

まとめ

成長ホルモンの注射はふつう家で行うため、学校生活の多くはふだんどおりに過ごせます。修学旅行や旅行では、製剤ごとの保管の条件を確かめ、持ち運びや打つ日の調整を主治医と前もって決めておきましょう。飛行機ではお薬を手荷物に入れ、医薬品として申告すると安心です。

出典 [5] [10]

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
  2. PMDA「ソグルーヤ皮下注 添付文書」(2026年6月改訂 第4版)
  3. PMDA「エヌジェンラ皮下注ペン 添付文書」(2026年7月改訂 第3版)
  4. PMDA「ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル 添付文書」(2026年8月改訂 第3版)
  5. PMDA「ノルディトロピン フレックスプロ注 添付文書」(2025年9月改訂 第3版)
  6. 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)「TUE申請手続きの流れ」
  7. PMDA「ジェノトロピンゴークイック注用 添付文書」(2023年12月改訂 第3版)
  8. PMDA「ジェノトロピンTC注用 添付文書」(2023年12月改訂 第3版)
  9. PMDA「グロウジェクト皮下注 添付文書」
  10. 国土交通省「国際線の液体物持込制限 概要」(PDF)
  11. 国土交通省「国際線の液体物持込制限 よくある質問」(PDF)
  12. 厚生労働省検疫所 FORTH「旅行前の準備」
  13. 環境省「在宅医療廃棄物の処理に関する取組推進のための手引き」(平成20年3月、PDF)
  14. ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
  15. ノビケア「お問い合わせ」