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低身長の基準と受診の目安読む時間 約7分
1歳半・3歳児健診で身長が小さいと言われたら
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
1歳半健診や3歳児健診で「身長が小さい」と言われても、すぐに病気と決まるわけではありません。健診では、身長が同じ年齢・性別の子の3パーセンタイル未満かどうかや、これまでの伸び方を見ています。医療機関の受診を勧められたら、母子健康手帳の記録を持って小児科で伸び方を確かめてもらいましょう。
1歳半健診と3歳児健診では、何を確かめている?
母子保健法は、市町村が、満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児と、満3歳を超え満4歳に達しない幼児に健康診査を行うことを定めています。それ以外の時期の健診も、市町村が必要に応じて行います。
国が示す実施要綱では、1歳6か月児健診の目的は、運動や言葉の発達、視覚や聴覚などの心配を早く見つけ、適切な支援につなげることとされています。身体の発育状況や栄養状態は、診る項目の最初に挙げられています。一般の健診で、より詳しく診る必要があると認められた子には、精密健康診査が行われます。
身長については、その日の測定値だけでなく、母子健康手帳に記録された過去の値と並べて見ることが大切です。1歳・3歳の平均身長は「1歳の平均身長は?」「3歳の平均身長は?」の記事にまとめています。
「小さい」と言われるのは、どんなとき?
国立成育医療研究センターなどがまとめ、こども家庭庁が掲載している「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」(改訂2版)は、身長・体重・頭囲を成長曲線に書き込み、3パーセンタイルから97パーセンタイルの間を正常の範囲としています。身長と体重が成長曲線に沿って増え、急な変動がないことも、正常と判断する条件です。
同じマニュアルの1歳6か月児健診と3歳児健診の判定の目安は、次のとおりです。
- 低身長:身長が3パーセンタイル未満(同じ年齢・性別の子100人のうち、低いほうから3人目より下)
- やせ:体重が3パーセンタイル未満、または肥満度が−20%以下(1歳6か月児健診)
- 体重増加不良:体重の成長曲線が、基準の線を2本下回るように下がる
- 3歳児健診では、身長が3パーセンタイル以上でも、それまでと比べて伸びが止まっている場合は経過観察が必要
出典 [3]
身長が小さい原因には、どんなものがある?
同じマニュアルは、1歳6か月ごろの低身長の原因として、次のようなものを挙げています。多くは家族性や体質によるものですが、治療できる病気が見つかることもあるため、受診を勧められたら一度確かめてもらいましょう。
- 家族性(両親も小柄など)
- SGA性低身長(妊娠週数に比べて小さく生まれ、その後も追いつかない)
- 栄養不足
- 心臓・腎臓・消化器などの慢性の病気
- 成長ホルモン分泌不全や甲状腺機能低下症などの内分泌の病気
- 染色体の変化などの遺伝的な病気
- 骨や軟骨の病気(骨系統疾患)
身長の高さより、伸びる速さが大切なのはなぜ?
同じマニュアルは、家族性の低身長やSGA性低身長では、ふつう伸びる速さ(成長率)は落ちないとしています。一方、成長率が下がっている場合は、栄養不足や慢性の病気、ホルモンの病気などの可能性を考える必要があるとしています。
つまり、ずっと低めの線に沿って伸びている子と、途中から線を横切って下がってきた子とでは、意味が違います。3歳児健診では、体重の伸びの停滞が身長より先に起きていることが明らかな場合は、食事の状態や生まれたときの経過などを確認するとされています。
日本小児内分泌学会は、小さく生まれた子の身長は多くの場合3歳までに追いつくとしています。3歳になっても低身長の程度が強く、一定の条件を満たす場合は、成長ホルモン治療を行うことがあるとしています。くわしくは「SGA性低身長症とは?」の記事で説明しています。
体重も増えていないと言われたら?
身長と一緒に、体重の増え方を指摘されることもあります。同じマニュアルは、体重が少なく、増え方も止まっている状態を体重増加不良と呼び、1歳6か月ごろに見られる発育の問題の一つとしています。
原因としては、食べる量が足りないこと、下痢や腸の病気、消化管のアレルギーなどで栄養を吸収しにくいこと、慢性の病気や代謝の病気でエネルギーを多く使うことが挙げられています。食べる量が足りないことが多いものの、その背景はさまざまで、生活の様子の確認や原因の病気の検査が必要になるとしています。
3歳児健診では、体重が3パーセンタイル未満で、肥満度−15%未満が続く場合にやせを疑い、栄養の相談の対象とするとされています。小さく生まれた子や食物アレルギーがある子では、その影響も考えます。体重と身長の関係は「やせている子は背が伸びにくい?」の記事でも説明しています。
出典 [3]
健診の測り方で、数字がずれることはある?
小さな子の身長を正確に測るのは簡単ではありません。国立保健医療科学院に掲載されている「乳幼児身体発育曲線の活用・実践ガイド」は、6歳未満の子どもの身長や頭囲を正確に測るのは難しく、測るたびに多少の誤差が出ることがあるとしています。そのため、伸びる速さの評価は、期間を空けて何度か測ってから行うよう勧めています。
同じガイドは、立って測ると寝て測るより身長が低くなるとして、2歳未満は寝た姿勢、2歳以降は立った姿勢で測るよう勧めています。測り方が変わる時期には、伸びが小さく見えることがあります。
37週未満で生まれた子については、出産予定日から数えた月齢(修正月齢)でも成長曲線に書き込むよう、同じガイドは勧めています。早く生まれた子を実際の月齢だけで比べると、小さく見えることがあります。修正月齢でいつごろまで見るかは、生まれた週数や育ち方によって違う可能性があるため、健診の担当者やかかりつけの小児科医に相談してください。
出典 [5]
「経過観察」「精密健康診査」と言われたら?
健診のあとの対応には、次の健診や保健センターでの測定で様子を見る経過観察と、医療機関でより詳しく診てもらう精密健康診査などがあります。国の実施要綱では、精密健康診査は、市町村が精密健康診査受診票を渡し、医療機関に依頼する形で行うとされています。
受診票を受け取った場合は、受診できる医療機関や期限、費用の扱いを市町村の案内で確認しましょう。実施要綱では、精密健康診査を受けていない場合に、市町村が受診を勧めることになっています。
経過観察と言われた場合は、次にいつ、どこで測るかを確認しておきましょう。気になることがあれば、次の健診を待たずに保健師や小児科に相談してかまいません。
出典 [2]
受診の前に、何を準備する?
小児科では、これまでの伸び方と、生まれたときの様子をくわしく見ます。次のものを用意しておくと、話がスムーズです。
- 母子健康手帳(出生時の身長・体重、妊娠週数、健診ごとの身長・体重)
- 健診で渡された結果票や精密健康診査受診票
- 保育園・幼稚園で測った身長・体重の記録
- 両親の身長
- 食事の量や好き嫌い、便の様子、よくかかる病気
- 言葉や運動の発達で気になること
家庭でできることは?
体重を家で測るなら、毎日ではなく、同じ条件で月に1回程度で十分です。実践ガイドも、1歳以上は1か月に1回より頻繁に測る必要はないとしています。身長は、園や健診の記録を母子健康手帳にまとめておきましょう。
食べる量が少ない、好き嫌いが多いといった悩みは、この時期によくあります。体重が順調に増えていれば、過度に心配しなくてよいことが多いです。食事の悩みは「偏食・少食の子の身長は?」の記事も参考にしてください。
体重が減っている、元気がない、下痢や嘔吐が続くといった場合は、健診を待たずに小児科を受診しましょう。ぐったりして水分もとれないときは、すぐに医療機関に連絡してください。伸び方について相談したい場合は、ノビケアの医師による無料相談でも、母子健康手帳の記録を見ながらご相談いただけます。
乳幼児健診で身長が小さいと言われたときのよくある質問
Q. 両親とも小柄です。それでも受診したほうがよいですか?
A. 家族性の低身長はよくありますが、それだけで病気がないとは言い切れません。受診を勧められた場合は、一度伸び方を確かめてもらいましょう。
Q. 1歳半健診では小さいと言われ、3歳児健診では言われませんでした。
A. 測り方の違いや、その後に伸びが追いついたことなどが考えられます。3歳以降も、園の測定などで記録を続けましょう。
Q. 成長ホルモン治療が必要になりますか?
A. 健診で小さいと言われたことだけで、治療が決まるわけではありません。原因を調べたうえで、治療が必要かどうかを医師が判断します。
まとめ
1歳半・3歳児健診で身長が小さいと言われたときは、3パーセンタイル未満かどうかに加えて、これまでの伸びる速さが落ちていないかが大切です。測り方による誤差もあるため、母子健康手帳の記録を持って小児科で伸び方を確かめてもらい、その後も記録を続けましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
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