成長と遺伝読む時間 約6分
出生体重・早産と将来の身長:小さく生まれた子はどう伸びる?
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
小さく生まれた子や早産で生まれた子の多くは、成長とともに身長が追いついていきます。早産の子は、予定日から数えた「修正月齢」で成長を見るのが基本です。ただし、出生体重がとても小さい場合や、週数のわりに小さく生まれて追いつかない場合は、医師と一緒に成長を見ていくことが大切です。
「小さく生まれた」には、どんな場合がある?
「小さく生まれた」といっても、大きく分けて2つの場合があります。予定より早く生まれたために体が小さい場合(早産)と、おなかの中にいた週数に比べて小さく生まれた場合(SGA)です。
日本小児内分泌学会の手引きでは、SGAは在胎週数に比べて体重や身長が小さく生まれたことを指し、早く生まれたかどうかではなく、週数に対して小さいかどうかがポイントだとしています。早産で生まれ、さらに週数のわりにも小さいという場合もあります。
どちらに当てはまるかで、成長の見方や相談の目安が変わります。母子健康手帳に書かれた在胎週数と出生時の体重・身長を確かめておきましょう。
出典 [1]
早産で生まれた子の成長は、どう見る?
早産で生まれた子の成長は、生まれた日から数えた月齢ではなく、出産予定日から数えた「修正月齢」で見るのが基本です。予定日より2か月早く生まれた子なら、生後6か月のときの修正月齢は4か月になります。
こども家庭庁の母子健康手帳情報支援サイトは、いつまで修正月齢を使うかについて明確な答えはないものの、3歳までは修正月齢・年齢で見ていくことが多いようだと説明しています。
同じサイトによると、在胎週数34〜36週で生まれた子(後期早産児)は、1歳程度で実際の月齢の標準的な成長・発達に追いつくことが多いとされています。
また、令和7年4月から、母子健康手帳の乳児身体発育曲線は、体重0kg、身長20cmから書き込める目盛りに見直され、小さく生まれた赤ちゃんの発育も記録できるようになりました。
出典 [2]
出生体重によって、追いつき方は違う?
厚生労働科学研究で行われた低出生体重児の研究では、約9,600人のデータをもとに、出生体重別の5つのグループごとに、男女別の身体発育曲線がつくられました。
この研究では、修正月齢で見た身長の追いつき方が、出生体重によって違うことが示されています。出生体重が小さいグループほど、追いつきに時間がかかったり、標準の範囲の下のほうにとどまったりする傾向がありました。
表は、研究報告に示された結果を、出生体重のグループごとにまとめたものです。ここでいう「3パーセンタイル値」は、同じ年齢の子ども100人のうち、低いほうから3番目くらいにあたる身長です。
これはグループ全体で見た傾向で、一人ひとりの伸び方は違います。同じグループでも、早く追いつく子もいれば、ゆっくり追いつく子もいます。お子さんの伸び方は、その子自身の記録で確かめましょう。
| 出生体重のグループ | 研究で示された身長の追いつきの様子 |
|---|---|
| 500g未満 | 6歳まで、身長が2000年の乳幼児調査の3パーセンタイル値を超えなかった |
| 500g以上1,000g未満 | 5歳で3パーセンタイル値に相当する身長に到達した |
| 1,000g以上1,500g未満 | 10パーセンタイル値に相当する身長に到達した |
| 1,500g以上2,000g未満 | 1歳までに3パーセンタイル値を超えた |
| 2,000g以上2,500g未満 | 10パーセンタイル値を超えたが、その後の追いつきはゆるやかだった |
出典 [3]
なかなか追いつかないときは?
日本小児内分泌学会の手引きによると、SGAで生まれた子の多くは2歳までに標準の範囲に追いつきますが、2歳までに追いつかなかった場合は、子どもの時期を通して低身長のまま経過することが多いとされています。この状態をSGA性低身長症と呼びます。
SGA性低身長症は、条件を満たせば成長ホルモン治療の対象になることがあります。条件や治療の流れは「SGA性低身長症とは?」の記事で詳しく説明しています。
早産で生まれ、週数に見合った大きさだった子でも、修正月齢で見て身長が標準から大きく離れている、伸びが止まっているように見えるといった場合は、早めに医師に相談しましょう。
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身長のほかに、気をつけたいことは?
国立成育医療研究センターなどの研究グループは、40〜74歳の約11.5万人を対象とした調査から、出生体重が2,500g未満だった人は心血管疾患のリスクが1.25倍、1,500g未満だった人は1.76倍だったと発表しています。出生体重が低いほど、高血圧や糖尿病の割合も高かったとしています。
ただし、これは集団で見た傾向で、小さく生まれた人が必ず病気になるという意味ではありません。子どものころから食事や運動、睡眠の習慣を整えておくことが、将来の健康につながります。
日本小児内分泌学会の手引きでは、SGAで生まれた子では、幼児期に体重が急に増えると将来肥満になりやすくなることにも触れています。体重を増やそうとして食べさせすぎるより、身長と体重のバランスを成長曲線で確かめながら見守りましょう。
両親の身長も、小さく生まれた子の伸びに関係する?
小さく生まれた子でも、大人になったときの身長には、両親から受け継ぐ体質が関係します。両親とも小柄であれば、追いついたあとも、標準の範囲の中で小さめの位置を伸びていくことがあります。
反対に、両親が大柄なのに、子どもだけがずっと標準より大きく下の位置にいる場合は、体質だけでは説明しにくいこともあります。両親の身長から考えられる範囲と比べるのも、一つの見方です。
どちらの場合も、出生時の体格、家族の体質、これまでの伸び方を合わせて考えることが大切です。判断に迷うときは、医師に記録を見てもらいましょう。
健診やフォローアップでは、何を確かめる?
小さく生まれた子は、乳幼児健診に加えて、生まれた病院のフォローアップ外来に通うことがあります。身長・体重・頭囲の伸びとあわせて、発達の様子も確かめていきます。
家庭では、母子健康手帳の発育曲線に、修正月齢で身長と体重を書き込んでおくと、追いつきの様子が見えやすくなります。記録するときは、実際の月齢と修正月齢のどちらで書いたかがわかるようにしておきましょう。
3歳以降は、実際の年齢で同じ年の子と比べることが多くなります。そのころから幼稚園や保育園の身体測定の記録も加えて、伸びが続いているかを見ていきましょう。
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周りの子と比べて不安になったときは?
小さく生まれた子の保護者は、同じ月齢の子と比べて不安になりやすいものです。けれども、修正月齢で見れば、その子なりのペースで順調に伸びていることも少なくありません。
比べる相手は、ほかの子ではなく、その子自身のこれまでの伸びです。成長曲線の上で、線に沿って伸びているか、少しずつ追いついているかを確かめましょう。
不安なことは、健診やフォローアップ外来で遠慮なく聞いてください。地域の保健センターの保健師も、小さく生まれた赤ちゃんの子育ての相談にのっています。
相談したほうがよいのは、どんなとき?
2歳を過ぎても身長が標準の範囲に追いつかない、3歳以降も同じ年の子と比べてかなり小さい、1年の伸びが小さくなってきた、といった場合は、小児科で相談してください。SGAで生まれた場合は、成長ホルモン治療の対象になるかどうかも確かめてもらえます。
相談のときは、母子健康手帳(在胎週数、出生時の体重と身長が書かれたページ)と、これまでの身長・体重の記録を持っていきましょう。
身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。
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出生体重・早産と身長についてよくある質問
Q. 早産で生まれました。大人になっても背が低いままですか?
A. 多くの子は成長とともに追いついていきます。追いつき方は生まれた週数や体重によって違うため、修正月齢で記録を見ながら、気になることは健診などで相談しましょう。
Q. 修正月齢と実際の月齢、学校の健康診断ではどちらで見ればよいですか?
A. 学校に入るころには、実際の年齢で見ることがほとんどです。修正をいつまで使うかは子どもによって違うため、迷うときは医師に確認してください。
Q. 小さく生まれたので、たくさん食べさせたほうがよいですか?
A. 食べさせすぎは、将来の肥満につながることがあります。量よりも、身長と体重のバランスを成長曲線で確かめながら、医師や管理栄養士に相談しましょう。
まとめ
小さく生まれた子や早産の子の多くは、成長とともに身長が追いついていきます。早産の子は修正月齢で成長を見ること、出生体重がとても小さい場合やSGAで追いつかない場合は医師と一緒に経過を見ることが大切です。記録を続け、気になるときは早めに相談しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。