ノビケア トップ > コラム > 低身長の原因と成長ホルモンのしくみ

低身長の原因と成長ホルモンのしくみ読む時間 約7分

MRI検査で「眠くなる薬を使う」と言われたら:使う理由と、当日までに聞いておくこと

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

MRI検査は大きな音のする狭い装置の中で、しばらく体を動かさずにいる必要があるため、小さな子では眠くなる薬(鎮静薬)を使うことがよくあります。薬による眠りは自然の眠りと違い、呼吸が弱くなることがあるため、病院は見守りの体制を整えて行います。いびきやぜんそくなどの体の状態を前もって伝え、薬の使い方、飲食の制限、付き添い、帰宅後の注意を当日までに確かめておきましょう。

なぜ、眠くなる薬を使うの?

日本小児神経学会の一般向けQ&Aは、MRI検査ではかなり大きな音がし、狭い装置の中で20分くらいは動かずにじっとしていなければならないため、こわさを和らげ、動かない状態を保つ目的で鎮静薬を使うと説明しています。

日本小児科学会・日本小児麻酔学会・日本小児放射線学会の「MRI検査時の鎮静に関する共同提言」は、指示に従うことが難しい子どもで、診断に使える画像を得るには、薬を使った鎮静が欠かせないとしています。画像がぶれると診断に役立たず、撮り直しになることもあるためです。

身長の相談では、成長ホルモンの病気が疑われるときに、下垂体のあたりを調べる目的で頭のMRIをすすめられることがあります。何を見る検査かは「低身長で頭のMRI検査をするのはなぜ?下垂体の検査と、小さな子の鎮静」のコラムで説明しています。このコラムでは、鎮静を使うと言われたあとの準備に絞ってお伝えします。

出典 [1] [2]

ふつうの眠りと、何が違うの?

共同提言は、鎮静は自然の眠りとまったく違うことを強調しています。自然の眠りでは、呼吸が苦しくなると目が覚めて対処できますが、薬で眠らせた状態では、一見同じように見えても、のどの空気の通り道がふさがったり、呼吸が止まったりする危険があるとしています。

そのため提言は、鎮静を始めてから目が覚めるまで、見守りに専念する医師か看護師をつけ、指先で血液の酸素を測る機器(パルスオキシメーター)を必ず使うよう求めています。提言に参考として載っている日本小児科学会の調査では、小児科専門医の研修施設341施設のうち85施設(24.9%)が、2年間に子どもの鎮静で何らかの好ましくない出来事を経験していました。病院が準備や確認を何度も重ねるのは、このためです。

出典 [2]

薬は、どうやって使うの?

共同提言にある説明書の例では、鎮静薬の使い方として、飲み薬、おしりから入れる座薬や注腸液、静脈からの注射の3つが挙げられています。どの薬をどのくらい使うかは、子どもの病状や体の状態に合わせて担当医が決めるとされています。

同じ説明書の例には、副作用として、点滴の場所の痛みや腫れ、吐き気や嘔吐、アレルギー反応などがあり、頻度は低いものの、呼吸が弱くなる、止まるといった応急の処置が必要なものもあると書かれています。好ましくない出来事が起きたときは、急に入院に切り替えることがあること、薬を使っても必要な画像が撮れない場合があることも、同意書の例に含まれています。

出典 [2]

医師に前もって伝えておくことは?

共同提言は、検査を依頼する医師が、鎮静によって呼吸が苦しくなった場合を想定して、子どもの状態を評価するよう求めています。評価の項目として、次のようなことが挙げられています。当てはまるものがあれば、検査の説明を受けるときに伝えましょう。

提言は、急なかぜや鼻づまりなど、のどや鼻の症状があるかどうかも評価の項目に挙げています。また、全身の状態が重い場合(例として、中等症の持続型のぜんそく)は、子どもの麻酔に詳しい医師に相談したうえで行うか、症状が落ち着くまで検査を延期するとしています。検査の日が近づいてから体調を崩したときの連絡のしかたは、「検査の前日に熱が出たら:負荷試験や採血は延期する?病院への連絡のしかた」のコラムも参考にしてください。

出典 [2]

当日までに、何を聞いておく?

共同提言は、家族には鎮静の必要性とリスクについて十分に説明を受ける権利があり、同意書に署名したあとでも、いつでも同意を取り消せるとしています。説明の場で聞きそびれやすいことを、リストにしておきましょう。

病院によっては、外来ではなく日帰り入院の形で鎮静を行うところもあります。日本小児放射線学会雑誌に載った報告(2021年)では、外来での鎮静から日帰り入院に切り替え、病棟の静かな個室で鎮静するようにした病院の経験が紹介されています。どちらの形かで、持ち物や一日の流れが変わります。

出典 [2] [3]

薬を使わずに受けられることもある?

あります。日本小児神経学会のQ&Aは、検査の必要性や内容を前もって子どもに説明する「プレパレーション」が役立つとし、検査の10日ほど前から、家族と一緒に、検査の様子を紹介する動画をくり返し見る方法を紹介しています。そうした準備で、3歳の子でもねむり薬を使わずに検査ができることもあるとしています。

共同提言でも、本物と同じ大きさのMRIの模型で練習する、映像や音楽を流せる機器を使う、検査の時間を夕方に合わせて昼寝をやめる、といった方法が紹介されています。模型での練習は、3〜8歳の子で鎮静薬が必要な子が16.8%減ったという報告もあるとされています。ただし、子どもの状態によっては鎮静が必要な場合もあり、Q&Aは無理をせず担当医と相談するよう勧めています。子どもへの伝え方は「子どもに「身長の病院に行く」とどう伝える?年齢別の説明のしかた」のコラムも参考にしてください。

出典 [1] [2]

帰る前と、家に帰ってからは?

共同提言では、外来で鎮静を行ったあとは、呼吸や意識が薬を使う前の状態に戻り、年齢に応じて歩く、座る、言葉を話す、水を飲んで吐かないといったことを確かめてから帰宅を許可するとしています。あわせて、家で見守りを続けられる保護者がいること、具合が悪くなったときの連絡方法を確かめていることも条件です。帰宅前には、起こりうることと対応のしかたを、文書を使って家族に説明するよう求めています。

その日は、大人がそばで様子を見ましょう。きょうだいがいる場合は、預け先を考えておくと安心です。呼吸がおかしい、顔色が悪い、呼びかけても反応が鈍いといった様子があれば、迷わず119番に連絡してください。

出典 [2]

MRIを受けるかどうかから相談したいときは?

ノビケアはオンライン診療のため、MRIや分泌刺激試験、静脈からの採血は行っていません。これらの検査が必要と考えられる場合は、対面の医療機関をご紹介します。身長の伸び方について、どんな検査が必要かから相談したい場合は、医師による無料相談(ビデオ通話)でお話をうかがいます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。

出典 [4]

MRI検査の鎮静についてよくある質問

Q. 小学生でも、眠くなる薬を使いますか?

A. 共同提言の説明書の例では、8歳以下の多くの子にとって30分以上まったく動かずにいるのは難しいため、鎮静薬を使うことが多いとされています。年齢が上でも、こわさが強い場合などは使うことがあります。使うかどうかは担当医と相談してください。

Q. 保護者は検査室の中に入れますか?

A. MRIの部屋は強い磁石があるため、金属を身につけて入ることはできません。付き添えるかどうかは病院によって違うため、事前に尋ねてください。

Q. 一度同意したあとで、やめたくなったらどうすればよいですか?

A. 共同提言は、同意書に署名したあとでも、家族はいつでも同意を取り消せるとしています。迷いがあれば、検査の前に担当医に伝え、検査のほかの方法や時期について相談してください。

出典 [2]

まとめ

MRIで眠くなる薬を使うのは、狭くて音の大きい装置の中で、診断に使える画像を撮るためです。薬による眠りは自然の眠りと違うため、いびきや持病、これまでの麻酔の経験を前もって伝え、薬の使い方、飲食の制限、付き添い、帰宅後の注意を当日までに確かめておきましょう。分からないことや迷いは、遠慮なく担当医に相談してください。

出典 [2] [1]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

公式LINEで無料相談を予約する

この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児神経学会 小児神経Q&A「Q89:MRI検査の予定があります。ねむり薬を使わないといけませんか?」
  2. 日本小児科学会・日本小児麻酔学会・日本小児放射線学会「MRI検査時の鎮静に関する共同提言」(2020年2月23日改訂版、日本小児科学会雑誌124巻4号、PDF)
  3. 日本小児放射線学会雑誌「鎮静下MRI検査における日帰り入院の利点」(片岡貴昭・高橋努、2021年、37巻2号、J-STAGE)
  4. ノビケア「お問い合わせ」