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低身長の基準と受診の目安読む時間 約6分

女の子の低身長:思春期の始まりと最終身長、相談のタイミング

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

女の子は、男の子より早く思春期に入り、伸び終わる時期も早くなります。そのため、身長が低い、伸びが落ちてきたと感じたら、胸のふくらみが始まる前後の早い時期に相談しておくことが大切です。女の子の低身長では、ターナー症候群など病気が見つかる割合が男の子より高いという報告もあります。思春期の変化が年齢に比べて早すぎる、または13歳を過ぎても始まらないときも、記録を持って小児科で相談しましょう。

女の子の思春期は、いつごろ始まる?

日本小児内分泌学会は、思春期の変化は女の子で10歳ごろから出てくるのが一般的だとしています。あいち小児保健医療総合センターは、胸のふくらみは平均9歳半ごろから見られ、初潮は12歳ごろだと説明しています。

思春期に入ると伸びが大きくなる時期があり、そのあと伸びはゆるやかになります。日本小児内分泌学会は、女の子では月経が始まると、その後の身長の伸びはわずかになるとしています。伸びが止まるのは、骨の端にある骨端線が閉じたときで、同学会はその目安を、女の子では骨年齢で14.6歳を超えたころとしています。

思春期の伸び方そのものは「女の子の身長の伸び方」、初潮のあとの伸びは「初潮(生理)が来たら身長は止まる?」のコラムで説明しています。

出典 [1] [2] [3] [4]

女の子は、なぜ早めの相談が大切?

女の子は伸び終わる時期が早いため、低身長の原因を調べたり、治療が必要かどうかを考えたりできる期間も、男の子より短くなります。原因によっては治療の対象になる病気もあり、診断までに検査や数か月から1年ほどの経過観察が必要になることもあります。

日本小児内分泌学会は、成長ホルモン治療は骨端線が閉じると効果がなくなるとしています。初潮が来たあとでも相談はできますが、伸びの残りが少なくなってからでは、選べることが限られる場合があります。

「女の子だから小柄でもいい」「そのうち伸びるだろう」と考えて様子を見ているうちに、思春期が進んでいることもあります。気になったときに一度、記録を見てもらうことに意味があります。

出典 [4] [3]

女の子の低身長は、見過ごされやすい?

米国のフィラデルフィア小児病院の調査(J Pediatr、2005年)では、成長の相談で紹介されてきた子は男の子182人、女の子96人で、男の子が2倍近く多くいました。一方で、紹介された時点の身長は女の子のほうが低く(SDスコアの中央値で女の子−2.4、男の子−1.9)、病気が見つかった割合も女の子41%、男の子15%と、女の子のほうが高くなっていました。

著者らは、女の子では低身長の相談が遅れて病気の診断が遅れるおそれがあり、男の子では病気のない子の検査が多くなっている可能性があると考察しています。これは米国の1施設の結果で、日本の子どもにそのままあてはまるとは限りませんが、女の子の低身長を「体質だから」と決めつけないための参考になります。

出典 [5]

女の子で、とくに気をつけたい病気は?

ターナー症候群は、X染色体の1本が全部、または一部ないことなどによって起こる、女の子の病気です。日本小児内分泌学会は女の子の2,000人に1人くらい、小児慢性特定疾病情報センターは約1,000人に1人と推測しており、資料によって数字に幅があります。

小児慢性特定疾病情報センターは、低身長はターナー症候群のほとんどの人にみられる症状で、大人の身長は病気のない女性より約20cm低いとしています。卵巣の働きが弱く、思春期の変化が来ない、または途中で月経が止まることもあります。同センターは、低身長の女の子はすべて染色体検査の対象になるとしています。

低身長がきっかけで分かることもあります。このほか、成長ホルモンの不足や甲状腺の病気、SHOX異常症なども、女の子の低身長の原因になります。くわしくは「ターナー症候群と身長は?」のコラムをご覧ください。

出典 [3] [6]

思春期が早すぎる・遅すぎるときは?

小児慢性特定疾病情報センターの診断の手引きでは、7歳6か月未満で胸のふくらみがみられる、8歳未満で陰毛が生える、10歳6か月未満で初経をみる、といったことが、思春期早発症を考える症状として挙げられています。日本小児内分泌学会は、思春期が早く進むと、小柄なまま身長が止まってしまうことがあるとしています。

反対に、あいち小児保健医療総合センターは、女の子で13歳になっても思春期の変化がまったくない場合を思春期遅発と考えるとしています。思春期の遅れの多くは体質によるものですが、米国の思春期遅発232人の調査(J Clin Endocrinol Metab、2002年)では、体質による遅れは男の子の63%に対し、女の子では30%でした。女の子では、思春期の遅れの背景に病気があることも多いと考えられます。

低身長があり、思春期の変化が来ない、または始まったのに進まない場合は、ターナー症候群などの病気がないかを確かめるためにも、早めに相談してください。

出典 [7] [1] [2] [8]

最終身長の見込みは、どう考える?

日本小児内分泌学会の英文誌に掲載された論文は、女の子の大人の身長の目安を「(父の身長−13+母の身長)÷2」で求め、その幅を上下8cmとしています。幅が広いため、目安どおりになるとは限りません。計算の考え方は「両親の身長から子どもの最終身長を予測する計算式は?」のコラムで説明しています。

今の伸び方が、この幅より明らかに低い方へ向かっているときは、体質だけで説明できるかを確かめたほうがよいでしょう。骨年齢を使った予測もありますが、どの方法にも誤差があります。予測の数字は一つの手がかりとして受け止め、伸び方の変化を記録で見ていくことが大切です。

出典 [9]

相談のタイミングは?

次のような場合は、母子健康手帳や学校の記録を持って小児科で相談しましょう。胸のふくらみや初潮の時期は、本人にとって話しにくいことです。記録やメモは保護者がまとめ、診察のときに本人の気持ちを尊重して伝えてください。

治療については、日本小児内分泌学会は、成長ホルモン治療の安全性と有効性が確立していて保険が使えるのは、ターナー症候群やSHOX異常症など決められた病気だとしています。原因が見つからない低身長への使用は適応外使用で、学会は勧めていません。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。

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女の子の低身長についてよくある質問

Q. 初潮が来ました。もう相談しても意味がありませんか?

A. 初潮のあとは伸びがゆるやかになりますが、すぐに止まるわけではありません。骨端線が閉じるまでの伸びの見込みや、原因となる病気がないかを確かめる意味はあります。

Q. 母親も小柄です。女の子なら気にしなくてよいですか?

A. 家族が小柄なことは手がかりの一つですが、それだけで体質と決めることはできません。伸びが落ちている、思春期の変化が来ないといった様子があれば、家族の体格に関係なく相談してください。

Q. 食事を減らして体重を増やさないようにすれば、思春期が遅れて背が伸びますか?

A. 食事を減らすことは、成長に必要な栄養が足りなくなるおそれがあり、勧められません。思春期の時期について心配があれば、医師に相談してください。

出典 [3] [4]

まとめ

女の子は思春期が早く、伸び終わる時期も早いため、低身長や伸びの落ち込みに気づいたら、胸のふくらみが始まる前後の早い時期に相談しておくことが大切です。ターナー症候群など病気が隠れていることもあるため、「女の子だから」「家族が小柄だから」と決めつけず、記録を持って小児科で相談しましょう。

出典 [3] [6]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「思春期早発症」
  2. あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
  3. 日本小児内分泌学会「低身長」
  4. 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
  5. Journal of Pediatrics「Sex differences in patients referred for evaluation of poor growth」(Grimberg A ほか、2005年、米国フィラデルフィア小児病院に紹介された男子182人・女子96人、PubMed Central)
  6. 小児慢性特定疾病情報センター「ターナー(Turner)症候群 概要」
  7. 小児慢性特定疾病情報センター「ゴナドトロピン依存性思春期早発症 診断の手引き」
  8. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism「Delayed Puberty: Analysis of a Large Case Series from an Academic Center」(Sedlmeyer IL ほか、2002年、米国ボストン小児病院の思春期遅発232人)
  9. 日本小児内分泌学会 Clinical Pediatric Endocrinology「Target Height and Target Range for Japanese Children: Revisited」(Ogata T ほか, 2007)
  10. ノビケア「お問い合わせ」