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お風呂・サウナで成長ホルモンは増える?子どもの入浴の考え方
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
サウナのような強い熱を浴びると、血液中の成長ホルモンが一時的に増えたという研究があります。ただ、それで身長が伸びることは確かめられておらず、身長のためにお風呂やサウナを長くする必要はありません。小さな子は熱で体に負担がかかりやすいため、サウナは大人がそばで見守り、短い時間にしましょう。入浴は、寝る1〜2時間前にすませると寝つきやすくなるとされています。
サウナで成長ホルモンが増えるのは本当?
フィンランドの研究では、健康な大人が80℃のサウナに1日2回、1時間ずつ7日間入ったところ、男性の血液中の成長ホルモンが大きく増えました。ただし、その増え方は3日目を過ぎると小さくなり、研究者は熱による脱水との関係も考えられるとしています。
健康な若い男性8人を調べた別の研究では、成長ホルモンが増えたと報告されたのは100℃の条件でした。いずれも、ふだんの入浴よりずっと強い熱を体に加えた条件です。
子どもについては、思春期前の5〜10歳の20人がサウナに入った研究で、入浴中に成長ホルモンなどが上がったと報告されています。研究者は、体温を保つための大人と同じようなホルモンの調節だと考えています。ふだんの家庭のお風呂の温度で、子どもの成長ホルモンや身長が変わるかを確かめた研究は、学会や公的機関の資料には見当たりません。
一時的に増えたら、背は伸びる?
成長ホルモンは、肝臓に働いてIGF-1という成長因子を作らせ、骨の成長板にも働いて骨を伸ばします。もともと1日の中で出たり止まったりをくり返すホルモンで、厚生労働省のe-ヘルスネットは、寝入ってすぐの深い眠りに一致して分泌がみられると説明しています。
日本小児内分泌学会は、成長ホルモンの分泌を促す薬を、低身長の子どもに1日2回、1年間使っても、もともとの成長率以上には身長が伸びなかった研究を紹介しています。熱で一時的に増えることがあっても、それだけで身長の伸びが変わるとは考えにくいのです。また同じ学会は、成長ホルモンが多すぎると健康を害することも示されていると説明しており、量が多いほどよいというものでもありません。成長ホルモンを増やすことを目的に、長湯やサウナを続ける必要はありません。
成長ホルモンの自然な分泌のために、大切なことは?
成長ホルモンは寝入ってすぐの深い眠りで出るため、毎日しっかり眠ることが土台になります。厚生労働省の睡眠ガイドは、日中にできるだけ日光を浴びると体内時計が整って寝つきやすくなること、寝室にはスマートフォンやタブレットを持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることがよい睡眠につながることを示しています。
入浴は、こうした眠りのための習慣の一つとして考えるとよいでしょう。お風呂の温度や長さを工夫するより、起きる時間と寝る時間をそろえるほうが、生活のリズムを作るうえで大切です。休日も、平日と起きる時間が大きくずれないようにしましょう。子どもの睡眠時間の目安は「子どもに必要な睡眠時間は?」のコラムで説明しています。
子どもがサウナに入るときに、気をつけることは?
フィンランドで子ども61人と若者20人に、サウナと同じ条件の部屋で10分間過ごしてもらった研究があります。10歳未満の子では出た直後に血圧が下がり、2人が一時的に気を失いました。5歳未満の子では、心臓が1回に送り出す血液の量が約33%減っていました。研究者は、サウナは子どもの血液の循環の調節に大きな負担をかけるとして、とくに小さな子は注意深く見守るよう勧めています。
サウナの研究をまとめたレビューは、健康な人であれば子どもから高齢者まで大きな危険はないとしています。一方で、多くの研究は小さいころからサウナに慣れた人が対象だったと述べています。日本の学会や公的機関で、子どものサウナの年齢や時間の目安を示したものは見当たりません。
- 大人がいっしょに入り、顔色や様子から目を離さない
- 短い時間にとどめ、つらそうなときはすぐに出る
- 出たあとは急に立ち上がらず、水分をとって休む
- 心臓の病気など持病がある子は、事前に主治医に相談する
熱いお湯や長湯で、気をつけたいことは?
サウナの研究では、熱を浴びたあとに血圧が下がったり、一時的に気を失ったりした子がいたことや、熱による脱水が体のホルモンの変化に関わっている可能性が報告されています。家庭のお風呂はサウナほど熱くありませんが、熱いお湯に長く入ることは、子どもの体にとっても負担になり得ます。
小さな子は、熱い、気分が悪い、といったことを自分からうまく伝えられないことがあります。顔が赤くなりすぎていないか、ぐったりしていないかを大人が見て、早めにお湯から出しましょう。お風呂から上がったあとは、水分をとって休ませると安心です。消費者庁が紹介しているように、設定温度の思わぬ変化でやけどをすることもあるため、お湯の温度を確かめる習慣をつけましょう。
入浴は、眠りにどう役立つ?
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、寝る約1〜2時間前に入浴して体を温めてから寝床に入ると寝つきやすくなるとしています。入浴で手足の血管が広がり、お風呂から出たあとに体の熱が逃げやすくなることで、体の内部の温度が下がり始め、眠りに入りやすくなると考えられています。
同じガイドは、湯温が極端に高いと、体を活動的にする交感神経の働きが高まって、かえって寝つきを妨げる可能性もあるとしています。成長期の子にとって大切なのは、熱いお風呂に長く入ることより、毎日同じような時間に入浴して、決まった時間に眠れるリズムを作ることです。睡眠と成長ホルモンの関係は「成長ホルモンは22時〜2時に出る?」のコラムで説明しています。
出典 [7]
お風呂場の事故を防ぐには?
消費者庁は、お風呂場での事故やヒヤリとした経験をした保護者が多いとして、注意を呼びかけています。溺れる事故のほかにも、転落、やけど、けがなどの情報が医療機関から寄せられています。お湯の設定温度が高くなっていて、足にやけどを負った2歳の子の例も紹介されています。
- 子どもは大人のあとに浴室に入れ、先に出す
- 大人が髪を洗うときは、子どもを浴槽から出しておく(浮き輪を使っていても溺れる事故が起きています)
- 子どもが小さいうちは、入浴後に浴槽のお湯を抜く習慣をつける
- 浴室に外鍵をかけたり、ベビーゲートを付けたりして、子どもだけで入れないようにする
- お湯に入れる前に、温度を確かめる
出典 [10]
お風呂・サウナと成長ホルモンについてよくある質問
Q. 半身浴や長風呂をすると、背が伸びやすくなりますか?
A. 入浴の仕方で身長の伸びが変わることを示した資料はありません。長湯は、のぼせや脱水のもとにもなります。入浴は体を清潔にし、寝つきを助ける習慣と考えましょう。お湯につかる時間を競ったり、がまんさせたりする必要はありません。
Q. お風呂で体を温めて血の巡りをよくすると、背が伸びますか?
A. 体を温めることで、骨の成長板の働きが強まって身長が伸びることを示した資料はありません。体が温まって気持ちよく眠れることは、生活のリズムを整える助けになります。
Q. サウナのあとの水風呂は、子どもにもよいですか?
A. 子どもでサウナと水風呂を組み合わせた場合の安全性を示した資料は、学会や公的機関には見当たりません。急な温度の変化は体に負担をかけるおそれがあるため、子どもに無理にさせることは避けましょう。
Q. 寝る直前にしかお風呂に入れません。
A. 寝る直前になる日は、熱すぎないお湯で短めにすませるとよいでしょう。できる日は少し早めに入るなど、家庭の生活に合わせて工夫してみましょう。
出典 [7]
まとめ
サウナの強い熱で成長ホルモンが一時的に増えたという研究はありますが、身長が伸びることは確かめられていません。小さな子のサウナは見守りと短い時間を心がけ、入浴は寝る1〜2時間前の習慣として、事故に気をつけながら続けましょう。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、成長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。
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公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- Acta Physiologica Scandinavica「Endocrine effects of repeated sauna bathing」(Leppäluoto J ほか、1986年、健康な成人17人、PubMed)
- European Journal of Applied Physiology「Haemodynamic and hormonal responses to heat exposure in a Finnish sauna bath」(Kukkonen-Harjula K ほか、1989年、健康な若い男性8人、PubMed)
- Acta Physiologica Scandinavica「Children in sauna: hormonal adjustments to intensive short thermal stress」(Jokinen E ほか、1991年、思春期前の5〜10歳の20人、PubMed)
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「ノンレム睡眠」
- 日本小児内分泌学会「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」(2025年9月8日改定)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)
- Pediatrics「Children in sauna: cardiovascular adjustment」(Jokinen E ほか、1990年、子ども61人と若者20人、PubMed)
- International Journal of Circumpolar Health「Health effects and risks of sauna bathing」(Kukkonen-Harjula K・Kauppinen K、2006年、文献レビュー、PubMed)
- 消費者庁 子ども安全メール「Vol.581 お風呂場での事故に注意!」(2022年2月8日)
- ノビケア「お問い合わせ」