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成長ホルモン治療読む時間 約6分

成長ホルモン治療中にほかの薬を使ってよい?かぜ薬・花粉症の薬・持病の薬を使うときに伝えること

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

成長ホルモン治療中でも、ほかの薬を使えないわけではありません。ただし添付文書では、副腎皮質ステロイド、甲状腺ホルモン、糖尿病の薬、女性ホルモンの飲み薬などは、併用に注意する薬として挙げられています。かぜ薬や花粉症の薬を使うときも、ほかの医療機関や薬局では成長ホルモンの注射をしていることを伝え、処方した医師や薬剤師に確かめてもらいましょう。

成長ホルモン治療中に、ほかの薬は使える?

成長ホルモン製剤の患者向医薬品ガイドには、この薬には併用を注意すべき薬があるため、ほかの薬を使っている場合や新たに使う場合は、医師または薬剤師に相談するよう書かれています。また、ほかの医師を受診するときや、薬局などで薬を買うときは、この薬を使っていることを必ず伝えるよう求めています。

「併用に注意」とは、一緒に使ってはいけないという意味ではありません。量を調整したり、検査で様子を見たりしながら使う薬だという意味です。どう使うかは、それぞれの薬を処方する医師と、成長ホルモンの主治医が判断します。自分の判断で成長ホルモンの注射や、ほかの薬を止めないようにしてください。

出典 [1]

添付文書で「併用に注意」とされている薬は?

国内で使われている主な成長ホルモン製剤の添付文書の「相互作用」の項を見ると、併用に注意する薬として、下の表のものが挙げられています。どの薬が挙げられているかは製剤によって少しずつ違います。

薬の種類添付文書に書かれていること
副腎皮質ステロイド(糖質コルチコイド)成長ホルモンの成長を促す働きが弱まることがある。ステロイドの量にも注意する
甲状腺ホルモン甲状腺の働きが変わることがあり、量や検査に注意する
糖尿病の薬(インスリンなど)血糖が上がることがあり、血糖やHbA1cを測って糖尿病の薬の量を調整する
女性ホルモン(エストロゲン)の飲み薬成長ホルモンの働きが弱まることがある
主に肝臓の酵素(CYP3A)で分解される薬(性ホルモンの薬、抗てんかん薬、シクロスポリンなど)一部の製剤の添付文書で、その薬の効き目が弱まることがあるとされている

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かぜ薬や熱を下げる薬は?

表のとおり、添付文書の「相互作用」の項で挙げられているのは主にホルモンや糖尿病にかかわる薬で、一般的な解熱剤やせき止め、抗生物質は挙げられていません。ただし、これは「どんな薬でも問題ない」という意味ではないため、かぜで小児科を受診したときは、成長ホルモンの注射をしていることを伝えてください。

市販のかぜ薬を使うときも、薬局の薬剤師に治療中であることを伝えて選んでもらいましょう。熱がある日に成長ホルモンの注射を打つか休むかは、ほかの薬とは別の問題です。考え方は「熱や胃腸炎のとき成長ホルモン注射は打つ?」のコラムで説明しています。

出典 [3] [2] [1]

花粉症やアレルギーの薬は?

花粉症などに使う抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)は、添付文書の併用注意の薬には挙げられていません。一方で、副腎皮質ステロイドは併用に注意する薬です。ステロイドには、飲み薬や注射のほか、鼻にスプレーする薬、吸入薬、塗り薬もあります。

添付文書は、使い方ごとに分けて書いているわけではありません。鼻の薬や塗り薬も含めて、使っているステロイドの薬は主治医に伝え、影響を考える必要があるかを判断してもらいましょう。ぜんそくの吸入薬と身長の関係は「ぜんそくの吸入ステロイドは身長に影響する?」、塗り薬については「アトピー性皮膚炎は身長に影響する?」のコラムで説明しています。

出典 [3] [4]

持病の薬を使っている場合は?

てんかんの薬を使っている子では、製剤によっては添付文書で、成長ホルモンによって抗てんかん薬の効き目が弱まることがあるとされています。治療を始めるときや量が変わるときは、てんかんの主治医にも成長ホルモンの治療を始めることを伝え、発作の様子に変わりがないかを見てもらいましょう。

甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンの薬を補っている子では、成長ホルモンの治療を始めたあとに、これらの薬の量の見直しが必要になることがあります。ADHD(注意欠如・多動症)の薬は添付文書の併用注意には挙げられていませんが、身長や体重への影響が話題になる薬です。くわしくは「低身長と発達障害は関係ある?ADHDのお薬と身長について分かっていること」のコラムで紹介しています。

出典 [3] [4] [5] [6]

受診先や薬局では、何を伝える?

成長ホルモンの主治医以外の医療機関を受診するときは、次のことを伝えると、薬を選ぶ医師や薬剤師が判断しやすくなります。歯科で薬を出してもらうときも同じです。

お薬手帳は、どう使うとよい?

日本薬剤師会が厚生労働省の検討会で示した資料では、お薬手帳を医師や薬剤師に見せることで、複数の医療機関にかかっていても、薬の重なりや飲み合わせ(相互作用)を確かめられると説明しています。市販薬を買ったときにも記録しておくことが勧められています。

成長ホルモンの注射は家で打つ薬のため、ほかの受診先では気づかれにくいことがあります。お薬手帳の表紙の裏などに、成長ホルモンの治療中であることと製剤名を書いておくと、伝えもれを防げます。サプリメントの注意点は「子ども用サプリの副作用と注意点」のコラムで紹介しています。

出典 [8]

迷ったときは、どこに相談する?

まずは、その薬を処方した医師か、受け取った薬局の薬剤師に、成長ホルモンの治療中であることを伝えて確かめてください。成長ホルモンの注射を続けてよいかは、成長ホルモンの主治医に確認します。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「くすり相談窓口」も、処方された薬の使い方などの相談を受けていますが、診断や治療についての質問には答えないとしています。夜間や休日に子どもの体調で受診を迷うときは、子ども医療電話相談(♯8000)で相談できます。

出典 [9] [10]

子どもが自分で薬を買うようになったら?

中学生や高校生になると、頭痛薬や鼻炎の薬などを、本人が薬局やドラッグストアで買うことも増えてきます。本人にも、薬を買うときや部活の遠征先で受診するときは「成長ホルモンの注射をしている」と伝えるよう、前もって話しておきましょう。

スマートフォンのお薬手帳のアプリを使っている場合は、本人が自分で見せられるようにしておくと便利です。本人に治療のことをどう説明していくかは「子どもが自分で注射できるのは何歳から?」のコラムも参考になります。

ノビケアで治療を受けている場合は?

ノビケアでは、持病や使っているお薬によっては治療できないことがあります。治療中に、ほかの医療機関で新しく薬を処方されたときや、市販薬を続けて使うときも、お知らせください。治療を始めるかどうか迷っている段階では、医師による無料相談(ビデオ通話)をご利用いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。

出典 [11] [12]

成長ホルモン治療中のほかの薬についてよくある質問

Q. 花粉症の季節だけ、毎年薬を飲んでいます。

A. 抗ヒスタミン薬は添付文書の併用注意には挙げられていませんが、ステロイドの点鼻薬などを使う場合もあります。季節の前に、使う薬を主治医に伝えておきましょう。

Q. 予防接種のワクチンも「ほかの薬」にあたりますか?

A. 添付文書の相互作用の項にワクチンは挙げられていません。考え方は「成長ホルモン治療中に予防接種は受けられる?」のコラムで説明しています。

Q. ほかの薬を飲み始めたら、成長ホルモンの注射の時間をずらしたほうがよいですか?

A. 時間をずらす決まりは、添付文書には書かれていません。迷うときは主治医に確認してください。

出典 [3] [4]

まとめ

成長ホルモン治療中でも、ほかの薬を使うことはできますが、副腎皮質ステロイド、甲状腺ホルモン、糖尿病の薬、女性ホルモンの飲み薬などは添付文書で併用に注意するとされています。かぜ薬や花粉症の薬を使うときも、治療中であることを医師や薬剤師に伝え、お薬手帳で伝えもれを防ぎましょう。

出典 [1] [8]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. PMDA「患者向医薬品ガイド ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル」
  2. PMDA「ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル 添付文書」(2026年8月改訂 第3版)
  3. PMDA「ノルディトロピン フレックスプロ注 添付文書」(2025年9月改訂 第3版)
  4. PMDA「ソグルーヤ皮下注 添付文書」(2026年6月改訂 第4版)
  5. PMDA「エヌジェンラ皮下注ペン 添付文書」(2026年7月改訂 第3版)
  6. PMDA「ジェノトロピンゴークイック注用 添付文書」(2023年12月改訂 第3版)
  7. PMDA「グロウジェクト皮下注 添付文書」
  8. 厚生労働省 第4回高齢者医薬品適正使用検討会 資料2 日本薬剤師会「電子版お薬手帳の現状と課題」(PDF、2017年10月30日。お薬手帳で重複や相互作用を確かめられること、市販薬も記録すること)
  9. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「くすり相談窓口」(医療用医薬品の使い方などの相談。診断・治療についての質問には答えない)
  10. 厚生労働省「上手な医療のかかり方」「子どもの症状は♯8000」
  11. ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
  12. ノビケア「お問い合わせ」