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重いランドセルや通学かばんは身長に影響する?

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

重いランドセルや通学かばんを背負うことで、最終的な身長が低くなることを示した資料は、学会や公的機関には見当たりません。背負っている間は背骨の間の軟骨(椎間板)が押し縮められますが、これは一時的な変化です。腰痛や側弯症との関係もはっきりしていませんが、重すぎる荷物は体の負担や痛みにつながることがあるため、学校と家庭で量を見直すことは大切です。

重い荷物を背負うと、背が伸びなくなる?

身長は、主に脚や背骨の骨の端にある骨端線(成長板)で骨が伸びることで高くなります。日本小児内分泌学会は、成長ホルモンが骨端線に働いて骨を縦に伸ばすと説明しています。

通学かばんの重さで最終的な身長が低くなることを示した研究は、学会や公的機関の資料には見当たりません。背の伸び方が気になるときは、かばんの重さよりも、成長曲線で伸びが保たれているかを確かめることが大切です。骨端線のしくみは、「骨端線とは?」のコラムで説明しています。

身長の伸びが落ちていないかを確かめたいときの目安は、「身長が伸びない子の特徴は?」のコラムで説明しています。

出典 [1]

背負っている間、背骨では何が起きている?

米国で11歳前後の子ども8人を対象に、立ったまま撮るMRIで腰の背骨を調べた研究があります。体重のおよそ10%、20%、30%にあたる4kg・8kg・12kgのリュックを背負うと、荷物が重いほど腰の椎間板の高さが縮み、背骨の左右の傾きが大きくなり、腰の痛みも強くなっていました。

ただし、これは荷物を背負っている間の変化を見たもので、人数も少ない研究です。椎間板は、ふだんでも日中は体重で少し縮み、夜に横になると戻ります。朝と夕方で測った身長が違うのはこのためで、くわしくは「朝と夜で身長が違うのはなぜ?」のコラムで説明しています。かばんを背負ったあとに測ると身長が少し低く出ることがあっても、骨の伸びが止まったわけではありません。

出典 [2]

腰痛や側弯症の原因になる?

2018年に出た研究のまとめ(69研究・7万2,627人)は、かばんの重さ、形、持ち方が、子どもの腰や背中の痛みが起こるリスクを高めるという、はっきりした根拠はないと結論づけています。ただし、含まれた研究の多くは質に課題があるとしています。

背骨が横に曲がる側弯症について、日本側彎症学会は、東京都の女子中学生の協力で行った調査で、通学かばんの種類や重さ、寝る姿勢、睡眠時間などの生活習慣は、側弯症と関係がなかったと紹介しています。同じ調査では、やせ型の女子に側弯症が多いことが分かったとしています。米国小児科学会も、リュックが側弯症などの長く続く背骨の問題を起こすことは示されていないとしています。

出典 [3] [4] [5]

では、荷物の重さは気にしなくてよい?

身長や側弯症の原因にならないとしても、重すぎる荷物は、肩や腰の痛み、疲れ、歩くときのふらつきにつながることがあります。米国小児科学会は、リュックの重さは子どもの体重の15%を超えないようにすること、背負ったときに前かがみにならないと支えられないなら重すぎることを目安に挙げています。

これは米国の目安で、日本の学会や国が決めた数値ではありません。体の小さい子ほど、同じ重さでも体重に対する割合は大きくなります。同じ学会は、両方の肩ベルトを使うこと、重い教科書などは背中側に入れ、左右の重さをそろえることもすすめています。

出典 [5]

学校では、荷物を減らす工夫がされている?

文部科学省は2018年に、教科書や学用品、体育用品などが重くなりすぎることで、体の健やかな発達に影響が出かねないという心配や、保護者からの声を受けて、各学校に携行品の重さや量への配慮を求める事務連絡を出しています。そこには、実際に学校で行われている工夫の例が載っています。

同じ事務連絡は、教科書などの教材は家庭学習のためにも大切なものだとしたうえで、何を持ち帰り、何を学校に置くかは、保護者とも連携しながら、子どもの発達の段階や学習上の必要性、通学の負担を考えて各学校が判断するよう求めています。

出典 [6]

家庭でできることは?

時間割を見ながら、その日に必要なものだけを入れているかを一緒に確かめましょう。ときどき、かばんを体重計にのせて重さを知っておくと、荷物が多い曜日が分かります。肩ベルトの長さは、かばんが背中に沿って、腰より下に下がりすぎないように調整します。

低学年の子は、自分で荷物の量を調整するのが難しいことがあります。前の日の夜に、時間割を見ながら一緒にかばんの中身を確かめる習慣をつけると、入れっぱなしの教材や不要な物が減ります。

置いて帰ってよい物は学校によって違います。荷物がいつも重い、子どもが疲れや痛みを訴える、という場合は、担任の先生に相談してみましょう。

出典 [6] [5]

歩いて通学すること自体は、体によくない?

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、子どもについて、WHOのガイドラインを参考に、中くらい以上の強さの体を動かす活動を1日60分以上行うことなどを紹介しています。また、通学は子どもにとって大切な体を動かす機会にもなるとしています。

荷物の重さを心配して歩く量を減らすより、荷物を軽くする工夫をしながら、歩いて通う時間を体を動かす機会として生かすほうがよいでしょう。運動と身長の関係は、「運動しすぎると身長が伸びない?」のコラムでも説明しています。

出典 [7]

かばんが体に合っているかは、どこを見ればいい?

米国小児科学会の目安などを参考に、次の点をときどき確かめてみましょう。

出典 [5]

受診を考えたほうがよいのは、どんなとき?

痛みが何日も続く、夜や休んでいるときにも痛む、手や足がしびれる、といった場合は、荷物のせいと決めつけず、小児科や整形外科を受診してください。学校の検診で背中の左右差を指摘された場合も、整形外科で確かめてもらいましょう。

身長の伸びが落ちてきたと感じる場合は、荷物とは別の理由を考える必要があります。成長曲線をつけて、伸び方を小児科で相談してください。姿勢と身長の関係は「姿勢・猫背は身長に影響する?」のコラムでも説明しています。

出典 [4]

通学かばんと身長についてよくある質問

Q. ランドセルとリュックでは、どちらが体によいですか?

A. 研究のまとめでは、かばんの形や持ち方と腰の痛みの間に、一定の関係は見つかっていません。形よりも、重すぎないこと、体に合わせて肩ベルトを調整し、両肩で背負うことが大切です。

Q. 小柄な子は、重い荷物の影響を受けやすいですか?

A. 同じ重さでも、体重に対する割合は大きくなるため、疲れや負担を感じやすいと考えられます。ただし、それで身長が伸びなくなることを示した資料は見当たりません。量の調整は学校とも相談しましょう。

Q. 部活の道具も重いのですが、大丈夫ですか?

A. 文部科学省の工夫例には、個人の部活動の用具を、鍵のかかる部室やロッカーに置いて帰ってよいことにしている例もあります。学校のルールを確かめてみましょう。

出典 [3] [6]

まとめ

重いランドセルや通学かばんで最終的な身長が低くなることを示した資料は見当たらず、腰痛や側弯症との関係もはっきりしていません。それでも重すぎる荷物は体の負担になるため、学校の工夫も利用しながら量を見直しましょう。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、成長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。

出典 [3] [6] [8]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
  2. Spine「The effect of backpacks on the lumbar spine in children: a standing magnetic resonance imaging study」(Neuschwander TB ほか、2010年、11歳前後の8人、PubMed)
  3. British Journal of Sports Medicine「Do schoolbags cause back pain in children and adolescents? A systematic review」(Yamato TP ほか、2018年、69研究・72,627人、PubMed)
  4. 日本側彎症学会 側弯症TOWN(患者向けサイト)「側弯症は、生活習慣に影響を受けるのか?」
  5. 米国小児科学会 HealthyChildren.org「School Backpack Safety」(Section on Orthopaedics ほか、2026年8月更新)
  6. 文部科学省「児童生徒の携行品に係る配慮について」(事務連絡、平成30年9月6日、工夫例の別紙つき、PDF)
  7. 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(PDF)
  8. ノビケア「お問い合わせ」