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姿勢・猫背は身長に影響する?
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
猫背などの姿勢が、骨の伸びそのものを妨げることを示したものは、学会や公的機関の資料には見当たりません。ただし、姿勢は身長を測ったときの数値には影響します。背中の曲がりが左右にかたよっている場合は、姿勢ではなく側弯症などのこともあるため、学校の検診結果も確かめましょう。
猫背だと、背が伸びなくなる?
日本内分泌学会は、身長は頭からかかとまでの骨の長さの合計と考えられると説明しています。成長期の骨は、骨の端にある骨端線で縦に長くなります。
猫背の姿勢が骨端線の働きを弱め、身長の伸びを止めることを示したものは、学会や公的機関の資料には見当たりません。「猫背を直せば背が伸びる」というのも、骨が伸びるという意味では根拠がありません。
とはいえ、背中を丸めた姿勢が続くと、肩や腰が疲れやすくなることもあります。身長のためではなく、体を楽に動かすために姿勢を見直すと考えましょう。
姿勢の悪さが気になるときは、本人を何度も注意するより、長く座り続けない、画面を目の高さに近づけるなど、環境の工夫から始めるほうが続けやすいでしょう。
出典 [1]
姿勢で、測った身長は変わる?
身長は立った姿勢で測るため、背中を丸めたり、あごを上げたりすると、数値は低めに出ます。反対に、背伸びをしたり体をそらしたりすると、高めに出ることがあります。
文部科学省は、学校の健康診断で身長を測るときの注意点を示しています。頭を正面に向け、耳の穴の前の出っ張り(耳珠)の上の端と、目のくぼみの下の端を結ぶ線が水平になるようにすること、身長計の板を頭に軽く数回当て、2〜3回同じ数値が出たときにそれを身長として読み取ることなどです。
姿勢による数値の違いがどのくらいになるかは、人や測り方によって変わります。伸び方を比べるときは、同じやり方で測った記録どうしを並べましょう。
同じ注意点には、この姿勢のときに後頭部が身長計に触れていなくても差し支えないことも書かれています。後頭部やかかとを無理に身長計につけようとして、あごが上がったり体がそったりしないよう、頭の向きを整えることが大切です。
出典 [2]
学校の検診では、背中のどこを見ている?
学校の健康診断には、背骨や胸、手足の状態を調べる項目があります。文部科学省は、背骨の形を前後と横から観察し、側弯(そくわん)などの異常な曲がりに注意するよう示しています。
側弯症は、背骨が左右に曲がる病気で、姿勢の悪さとは別のものです。病気の説明や治療は、日本整形外科学会の情報をもとに「ストレッチで身長は伸びる?」の記事で紹介しています。検診で指摘された場合は、整形外科を受診してください。
検診で経過を見るよう言われた場合も、次の検診まで家庭で背中の様子を見ておきましょう。お風呂上がりなどに、両肩の高さや腰のくびれに左右差がないかを、後ろから見るだけでも変化に気づくきっかけになります。
側弯症を見つけるために、次のような点を確かめるとしています。
- 後ろ向きにまっすぐ立ち、両腕を自然に下げた状態で、両肩の高さ、肩甲骨の高さと位置、腰の脇のラインに左右差がないか
- 体の前で手のひらを合わせ、ゆっくり前にかがんだ状態で、背中や腰の高さに左右差がないか
姿勢が悪く見えるとき、ほかに考えたいことは?
文部科学省は、学校での手足や体の検査のポイントとして、子どもたちに、運動のしすぎに関わる問題と、運動不足に関わる問題の両方が増えていると説明しています。家庭や学校で気づくきっかけの例として、座っているときに体が傾いていることも挙げています。
同じ資料は、学校生活に支障がなくても、体が硬いなどの指摘があれば、日常生活での注意点を伝えたり、体を動かす大切さを伝えたりするとしています。
長い時間座りっぱなしにならないよう、途中で立ち上がって体を動かすことも大切です。厚生労働省の身体活動・運動ガイドは、子どもの座りすぎ、とくに画面の前で過ごす時間を減らすことを勧めています。
成長期は、体が大きくなるのに合わせて、机やいすの高さが合わなくなることがあります。足の裏が床につき、ひじを軽く曲げて机に手を置ける高さを目安に、学年が上がるたびに見直してみましょう。
運動器検診で指摘されることには、どんなものがある?
日本整形外科学会の保護者・学校向けのFAQは、検診でしゃがみこみができない場合、股関節やひざ、足首の関節が硬かったり病気があったりする場合や、背骨や太もも、ふくらはぎの筋肉が硬い場合が考えられるとしています。
片脚立ちができない場合は、筋力の低下やバランスの未発達が最も多いとしながら、股関節の病気や背骨、筋肉、神経の病気のこともあるとしています。
文部科学省の通知は、健康診断では正確な検査とともに、子どものプライバシーや気持ちに配慮することが大切だとしています。背骨の検査では、正確に判断するために、必要に応じて背中や腰を触って確かめることがあると説明しています。
検査の方法や服装について不安がある場合は、事前に学校に確認し、子どもにも検査の目的を伝えておくと安心しやすくなります。
腰や背中を痛がるときは?
日本整形外科学会の保護者・学校向けのFAQは、中学生くらいで腰を反らすと痛む場合は、腰の骨の疲労骨折(腰椎分離症)の可能性が高いとしています。腰を曲げたときに痛み、脚の痛みやしびれを伴う場合は、腰椎椎間板ヘルニアを疑うとしています。
スポーツをしている子が腰の痛みを訴えるときは、姿勢のせいと決めつけず、整形外科を受診してください。腰椎分離症については、日本整形外科学会の解説もあります。
背中の曲がりが急に目立ってきた、痛みが強い、熱があるといった場合も、早めに受診しましょう。
姿勢より、確かめたいことは?
文部科学省は、学校の健康診断から座高の検査をなくしたことにあわせて、子どもの発育を評価するために、身長曲線や体重曲線などを積極的に使うことが重要になるとしています。
文部科学省の検討会に提出された資料では、座高と身長から求める上半身と下半身の長さの比が、成長を評価する指標の一つになると説明されています。同じ資料は、身長と体重の成長曲線をくわしく見ることを条件にすれば、この比の曲線を見ることは必須とはいえないとしています。
同じ資料は、病気が原因の低身長では、この上半身と下半身の比が異常に大きくなることがあるとしています。こうした評価は、医師が成長の記録や診察とあわせて行うものです。
身長が気になるときは、姿勢を直すことより、これまでの伸び方を成長曲線で確かめることが先です。学校の健康診断の記録を、学年ごとに並べてみましょう。
身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。
姿勢と身長についてよくある質問
Q. 猫背を直すベルトや矯正グッズで、背は伸びますか?
A. 姿勢を整える器具で骨が伸び、身長が伸びることを示した資料は見当たりません。使う場合も、身長が伸びることを期待しすぎないようにしましょう。
Q. 勉強中の姿勢が悪いのが気になります。
A. 机やいすの高さが体に合っているかを見直し、ときどき立ち上がって体を動かすようにしましょう。腰や背中を痛がる場合は整形外科で相談してください。
Q. 側弯症があると、身長の測定に影響しますか?
A. 背骨の曲がりの程度によっては、立って測った身長に影響することがあります。伸び方の評価は医師と相談しましょう。
出典 [5]
まとめ
猫背などの姿勢で骨の伸びが止まることを示したものは見当たりませんが、姿勢は測った身長の数値に影響します。背中の左右差や腰の痛みは整形外科で相談し、身長の伸び方は同じやり方で測った記録で確かめましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
- 文部科学省「児童、生徒、学生、幼児及び職員の健康診断の方法及び技術的基準の補足的事項及び健康診断票の様式例の取扱いについて」(PDF、平成27年9月11日)
- 日本整形外科学会「側弯症」
- 文部科学省「児童生徒等の健康診断の「四肢の検査のポイント」について」(PDF、平成29年2月23日)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(PDF)
- 日本整形外科学会 保護者・養護教諭・学校医向けFAQ「それぞれの部位でどんな病気が疑われるのですか?」
- 文部科学省「児童生徒等のプライバシーや心情に配慮した健康診断実施のための環境整備について(通知)」(PDF、令和6年1月22日)
- 日本整形外科学会「腰椎分離症・分離すべり症」
- 文部科学省「学校保健安全法施行規則の一部改正等について(通知)」(PDF、平成26年4月30日)
- ノビケア「お問い合わせ」
- 文部科学省 今後の健康診断の在り方等に関する検討会 資料(村田光範「学校保健における身体計測 とくに座高測定の意義について」、PDF)