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ストレッチで身長は伸びる?
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
ストレッチで骨が長くなり身長が伸びる、という根拠は、学会・公的機関の資料にはありませんでした。身長は主に骨端線で骨が伸びることで伸びるためです。ただ、ストレッチは体の柔らかさを保ち、成長期のスポーツ障害のケアに役立つものとして整形外科の資料でも紹介されています。
ストレッチで背が伸びるという話は本当?
日本内分泌学会は、身長は頭からかかとまでの骨の長さの合計と考えることができると説明しています。日本小児内分泌学会は、成長ホルモンが骨の軟骨成長板(骨端線)に働いて、骨を縦の方向に伸ばすとしています。
身長が伸びるのは、このように骨そのものが長くなるためです。ストレッチで筋肉や関節まわりを伸ばしても、骨が長くなることを示した資料は見当たりません。
日本内分泌学会は、骨の長さに関係する大切な要因として、骨そのものの生まれつきの性質、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、性ホルモンなどのホルモン、栄養を挙げています。
「1回で何cm伸びる」とうたうストレッチや器具の情報もありますが、こうした宣伝は、うのみにしないようにしましょう。
ストレッチ直後に、背が高く測れるのはなぜ?
ストレッチをした直後や、背すじを伸ばした姿勢で測ると、いつもより身長が少し高く出ることがあります。これは骨が伸びたのではなく、姿勢や測り方の違いによる一時的な変化と考えられます。
身長の伸びを正しく見るためには、毎回できるだけ同じ条件で測ることが大切です。たとえば、同じ時間帯に、靴下を脱いで、かかとをそろえて背すじを伸ばして測るなど、測り方を決めておきましょう。
身長の伸びは、数日や数週間ではなく、半年や1年といった単位で見るものです。測った日付とあわせて記録を残しておくと、受診のときにも役立ちます。ストレッチの前後で測った数字の違いを、身長が伸びたかどうかの判断に使わないようにしましょう。
ぶら下がりや、骨端線を刺激するストレッチは効果がある?
鉄棒にぶら下がる、骨端線を刺激するといったストレッチで身長が伸びる、という根拠は、学会や公的機関の資料にはありませんでした。
日本小児内分泌学会は、骨端線が閉じたあとは成長ホルモンが働いても骨は縦の方向には伸びなくなると説明しています。骨端線が閉じた大人で、ストレッチによって身長が伸びることはないと考えられます。
ぶら下がりや鉄棒は、遊びとして楽しく体を動かすことには役立ちます。文部科学省の幼児期運動指針は、「ぶら下がる」を、幼児期に身につけておきたい体のバランスをとる動きの一つに挙げています。
身長のためというより、いろいろな動きを経験する遊びの一つとして取り入れましょう。
ストレッチには、どんな役割があるの?
日本整形外科学会は、運動のしすぎで筋肉が疲れたり、筋肉の柔軟性が足りなくなったりすること(タイトネス)や、反対に運動をしないために体が硬くなることが、体の不具合の原因になると説明しています。こうした状態でスポーツを続けると、けがや障害が起こりやすくなるとしています。
日本スポーツ整形外科学会の資料では、成長期の膝の痛みであるオスグッド病の悪化を防ぐために、太ももの前の筋肉を伸ばすストレッチが紹介されています。
同じ資料では、オスグッド病で痛みがなくなってからスポーツを再開する時期も、スポーツの前後にストレッチやアイスマッサージを行うことが紹介されています。
米国小児科学会は、筋トレで体が硬くなるという考えは誤解で、ストレッチを組み合わせることで柔軟性が高まったと説明しています。ストレッチは、身長のためではなく、体を動かしやすくし、けがを防ぐための習慣として考えましょう。
体の硬さが気になるときは、どう考えればいい?
学校の運動器検診では、腕が完全に挙がらない、前屈で指先が床に届かない、しゃがみこみができない、片脚立ちができないといった項目が確認されることがあります。日本整形外科学会は、こうした状態の原因は、病気から筋肉の疲れ、体の硬さまでさまざまだと説明しています。
同学会は、運動のしすぎによる「スポーツ障害」と、運動不足による「体力・運動能力の低下」の両方が問題になっているとしています。体が硬い場合も、運動のしすぎと運動不足のどちらが関係しているかで、対応が変わります。
動かすと痛みがある、明らかに動きがおかしいといった場合は、ストレッチで様子を見るのではなく、整形外科を受診しましょう。
姿勢を良くすると、身長は変わる?
猫背などの姿勢を直すと、測ったときの身長が少し高く出ることはありますが、それは骨が伸びたわけではありません。
背中の曲がりが気になる場合は、姿勢の問題ではなく病気のこともあります。日本整形外科学会は、側弯症は背骨が左右に曲がった状態で、日本での発生頻度は1〜2%程度、女の子に多いと説明しています。肩の高さが左右で違う、前かがみになると背中の片側が盛り上がるといった様子が特徴です。
同学会は、側弯症は背骨の成長期である思春期に悪化する場合が多く、曲がりが進む前に診断して治療を始めることが大切だとしています。学校検診で指摘された場合などは、整形外科を受診してください。
同学会によると、側弯症の60〜70%は原因が分からない特発性側弯症で、程度が軽い場合は運動療法などで経過を見て、進む場合は装具による治療を行います。治療の方法は原因や程度、年齢によって異なるため、自己流のストレッチで様子を見続けないようにしましょう。
出典 [8]
ストレッチより先に、確認したいことは?
身長が伸びにくいと感じたときに大切なのは、ストレッチの方法を探すことより、これまでの身長の伸び方を確認することです。母子健康手帳や学校の健診の記録を集め、成長曲線に書き込んでみましょう。
日本小児内分泌学会は、男の子では声変わり、女の子では月経が始まると、その後の身長の伸びはわずかになると説明しています。伸びる時期は限られているため、気になる場合は早めに相談することが勧められています。
伸びるペースが落ちてきた、同じ年齢の子と比べてかなり小柄といった場合は、小児科に相談してください。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。
ストレッチと身長についてよくある質問
Q. 寝る前のストレッチで背は伸びますか?
A. 寝る前のストレッチで身長が伸びるという根拠は、資料にはありませんでした。体をリラックスさせる習慣として行うのはよいですが、身長を伸ばす方法として期待しすぎないようにしましょう。
Q. 大人になってからストレッチで背を伸ばすことはできますか?
A. 骨端線が閉じたあとは、成長ホルモンが働いても骨は縦の方向に伸びないとされています。ストレッチで骨が伸びることはないと考えられます。
Q. 成長期に体が硬くなったと言われました。
A. 運動のしすぎや運動不足など、原因はいろいろです。痛みがある場合は整形外科で相談し、原因に合ったストレッチや運動の量を教えてもらいましょう。
まとめ
ストレッチで骨が長くなり身長が伸びるという根拠は、資料にはありませんでした。ストレッチは、体の柔らかさを保ち成長期のけがを防ぐための習慣として取り入れ、身長の伸び方は記録をもとに医師と確認しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- 文部科学省「幼児期運動指針」
- 日本整形外科学会 保護者・養護教諭・学校医向けFAQ「どうして運動器に不具合が出るのですか?」
- 日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 1. オスグッド病」(PDF)
- American Academy of Pediatrics(HealthyChildren.org)「Strength Training」
- 日本整形外科学会 保護者・養護教諭・学校医向けFAQ「運動不足の子が受診を勧められているのですが…?」
- 日本整形外科学会「側弯症」
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- ノビケア「お問い合わせ」