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成長期・思春期・骨端線読む時間 約7分
中学3年生になっても声変わりしない:様子を見てよい場合と相談の目安
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
声変わりは、男の子の思春期の中では後のほうに起きる変化です。思春期は精巣が大きくなることから始まり、声変わりはその1〜2年後に見られることが多いため、中学3年生で声が高いままでも、ほかの変化が始まっていれば体質の範囲のことがあります。一方で、14歳になっても思春期の変化がまったくない、背が低いまま伸びが小さくなっている、といったときは、一度小児科で相談しましょう。
声変わりは、思春期のどのあたりで起きる?
あいち小児保健医療総合センターは、男の子の思春期は平均11歳半ごろに精巣が大きくなることから始まり、声変わりは平均13歳ごろで、思春期に入って1〜2年たってから見られることが多いと説明しています。声変わりは思春期の「始まりの合図」ではなく、思春期がある程度進んでから起きる変化です。
日本の耳鼻咽喉科の研究(小児耳鼻咽喉科誌、2023年)は、子どもと大人の声帯の長さから、声変わりが始まる年齢を男の子で12歳台後半と推定しています。声変わりのころには、のどの声帯が長く太くなり、声が低くなります。米国小児科学会の保護者向けサイトは、この時期に声が裏返ることがあっても、成長の自然な一部だとしています。
平均はあくまで真ん中の目安で、早い子も遅い子もいます。同じ学年の中で声変わりの時期に1〜2年の差があっても、珍しいことではありません。
中学3年生で声が高いままなのは、遅い?
中学3年生は、4月の時点で14歳、学年の途中で15歳になる学年です。平均だけを見ると多くの子が声変わりを迎えている時期ですが、声の高さだけで思春期が来ていないとは言えません。声変わりは後のほうに起きる変化なので、精巣が大きくなる、陰毛が生えてくる、身長の伸びが急に大きくなるといった変化が先に始まっていることがあります。
また、毎日いっしょにいる家族は、少しずつ低くなった声に気づきにくいことがあります。電話の声や、去年の動画の声と比べてみると、変化が分かることもあります。
大切なのは、声だけでなく、思春期の変化全体がいつ始まり、どのくらい進んでいるかです。体の変化は本人にしか分からないことも多いため、診察で医師に確かめてもらうのが確実です。
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様子を見てよいのは、どんな場合?
思春期の遅れでいちばん多いのは、病気ではない体質による遅れ(体質性思春期遅発)です。あいち小児保健医療総合センターは、思春期の遅れの多くは体質によるもので、待っていれば自然に思春期が来るとしています。体質性の遅れについての総説(Italian Journal of Pediatrics誌、2022年)では、50〜75%で家族にも思春期が遅かった人がいて、最終的な身長はふつうの範囲に入ることが多いとされています。
次のような場合は、体質による遅れの可能性があり、記録を続けながら様子を見ることも考えられます。ただし、見分けは医師が行うものなので、迷うときは相談してかまいません。
- 声は高いが、精巣の大きさや陰毛など、ほかの思春期の変化はすでに始まっている
- ここ半年〜1年で、身長の伸びが前より速くなってきた
- 父親やおじなど、家族にも声変わりや背の伸びが遅かった人がいる
- 身長が成長曲線の線に沿って伸びていて、線から下へ外れてきていない
相談したほうがよいのは、どんなとき?
あいち小児保健医療総合センターは、男の子で14歳になっても二次性徴がまったく見られない場合を、思春期遅発と考えるとしています。中学3年生でこれにあたる場合は、待つより一度相談したほうがよい目安です。次のような様子があるときも、早めに小児科で相談しましょう。
- 14歳になっても、精巣が大きくなる・陰毛が生えるといった変化がまったくない
- 思春期の変化が始まったのに、そのあと進んでいないように見える
- 背が低く、最近1年の伸びが前より小さくなってきた
- においが分かりにくい(思春期が来ない病気の一つ、カルマン症候群では、嗅覚の低下を伴うことが多いとされています)
- 赤ちゃんのころに停留精巣(精巣が陰嚢に下りていない状態)の治療を受けた、精巣がとても小さいと言われたことがある
- 長く続く病気がある、急に体重が減った、運動量に比べて食事が少ないなど、体への負担が大きい
ほかの変化は進んでいて、声だけが高いときは?
精巣の大きさや身長の伸びなど、ほかの思春期の変化は進んでいるのに、声だけが高いまま、あるいは声が裏返る状態が長く続くこともあります。のどの大きさの変化に声の出し方が追いつかない状態は「変声障害」と呼ばれ、横浜市立大学附属病院の耳鼻いんこう科は、機能性発声障害などとともに音声障害の一つとして挙げています。
この場合は、ホルモンの問題より声の出し方が関わっていることがあり、相談先は耳鼻咽喉科になります。どのくらい続いたら受診するかの目安は、医療機関によって説明が異なります。まずはかかりつけの小児科で、思春期の進み方に問題がないかを確かめてもらうとよいでしょう。
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受診すると、どんなことを調べる?
小児科では、これまでの身長・体重の記録から成長曲線を描き、伸び方を確かめます。診察では、精巣の大きさなど思春期の進み方を確かめます。必要に応じて、手のエックス線写真で骨の成熟の度合い(骨年齢)を調べ、血液検査で思春期に関わるホルモン(LH・FSH・男性ホルモン)を測ります。思春期が来ない病気である低ゴナドトロピン性性腺機能低下症などの診断では、こうしたホルモンの値が手がかりになります。
体質による遅れと病気による遅れは、1回の検査では見分けにくいこともあり、時間をあけて伸びや体の変化をくり返し確かめることがあります。体質による遅れでも、本人の悩みが大きい場合には、短い期間だけ男性ホルモンを補う方法が海外の総説で紹介されています。精巣の大きさの測り方は「男の子の思春期は精巣の大きさで始まる」、血液検査は「思春期の血液検査(LH・FSH・性ホルモン)で分かること」のコラムで説明しています。
声変わりが遅いと、身長はどうなる?
思春期の大きな伸びは、思春期が進む時期に重なって起きます。そのため、思春期が遅い子は、同級生が大きく伸びる時期にまだ伸びが小さく、一時的に背が低く見えやすくなります。あいち小児保健医療総合センターも、思春期が遅い子は身長が伸びる時期が同級生より遅くなるため、小学校から中学校のころに背の低さで受診することが多いとしています。
一方で、骨端線が閉じる時期も後ろにずれるため、体質による遅れでは、高校生になってから伸びることもあります。ただし、残りの伸びの量は一人ひとり違い、骨年齢などで確かめる必要があります。声変わりのあとの伸びは「声変わりのあと身長はどのくらい伸びる?」のコラムで説明しています。
本人には、どう声をかける?
声や体の変化は、本人が人に話しにくいことです。友だちと比べて気にしていても、家族には言わないこともあります。家族やほかの人の前で「まだ声変わりしないね」と話題にするのは避け、二人きりのときに短く聞くほうが答えやすくなります。父親など、話しやすい大人が聞くのもよい方法です。
受診をすすめるときは、「背の伸び方と体の成長がふつうに進んでいるか、確かめてもらおう」と、本人を責めない言い方にしましょう。診察で体の変化を確かめることを前もって伝えておくと、本人の不安が少なくなります。ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、身長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。
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中学3年生の声変わりについてよくある質問
Q. 高校生になってから声変わりすることはありますか?
A. 思春期が遅い体質の子では、中学を卒業するころから声変わりが始まることもあります。ただ、14歳で思春期の変化がまったくない場合は相談の目安にあたるため、高校まで待たずに一度確かめておきましょう。
Q. 合唱や部活で声のことを言われて、本人が落ち込んでいます。
A. 声変わりの時期には個人差があることを伝え、まずは気持ちを受け止めましょう。声のことでつらい思いが続くときは、担任の先生や部活の顧問に、本人の了解を得たうえで相談してみてください。
Q. 声変わりを早めるサプリメントや食べ物はありますか?
A. 声変わりや思春期を早める食べ物やサプリメントの効果を示した、学会や公的機関の資料は見当たりません。思春期の遅れが気になるときは、商品を試す前に小児科で原因を確かめましょう。
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まとめ
声変わりは、思春期が始まってから1〜2年後に起きることが多い変化です。中学3年生で声が高いままでも、ほかの変化が始まっていれば体質の範囲のことがあります。14歳で思春期の変化がまったくない、背が低いまま伸びが落ちている、においが分かりにくいといったときは、小児科で相談しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
- 小児耳鼻咽喉科「小児と成人の声帯長から推定した変声開始年齢」(44巻1号、2023年、J-STAGE、PDF)
- American Academy of Pediatrics(HealthyChildren.org)「Concerns Boys Have About Puberty」
- Italian Journal of Pediatrics「Current clinical management of constitutional delay of growth and puberty」(Gaudino R ほか、2022年、体質性思春期遅発症の総説、PMC)
- 小児慢性特定疾病情報センター「カルマン(Kallmann)症候群 診断の手引き」
- 小児慢性特定疾病情報センター「低ゴナドトロピン性性腺機能低下症(カルマン(Kallmann)症候群を除く。) 概要」
- 横浜市立大学附属病院 耳鼻いんこう科「音声障害」
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- ノビケア「お問い合わせ」