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成長期・思春期・骨端線読む時間 約6分

中高生がSNSや動画で身長の情報を見て悩むとき:情報の確かめ方と話し合い方

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

SNSや動画では、一度身長の動画を見ると、似た内容が次々に表示されやすくなります。「これをすれば伸びる」「この年齢で止まる」といった話は、根拠がはっきりしないものや、商品の宣伝につながるものも少なくありません。見ることを禁止するより、だれが何のために発信しているのか、元の情報はどこかを親子で一緒に確かめ、本人の不安そのものを受け止めることが大切です。

中高生は、どのくらい動画やSNSを見ている?

こども家庭庁の「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」では、インターネットを使っていると答えた青少年のうち、動画を見ている人は高校生で95.2%、中学生で94.2%でした。動画を見ることは、中高生にとってごく日常的なことになっています。

身長は、思春期の子どもが気にしやすいことの一つです。夜、自分の部屋で「身長 伸ばす方法」などと検索し、たくさんの動画を一人で見ているうちに、不安がふくらんでしまうことがあります。親が気づかないうちに悩んでいることもあるため、ふだんから身長の話をしやすい雰囲気をつくっておくことが助けになります。

出典 [1]

SNSの身長の情報は、なぜ不安をあおりやすい?

総務省は、利用者の関心や行動に合わせて表示内容を調整するしくみによって、似たような情報ばかりが表示される現象を「フィルターバブル」、同じ意見がくり返し表示されて強まっていく現象を「エコーチェンバー」と呼び、若い人向けの教材でも注意を呼びかけています。情報通信白書は、フィルターバブルは目に見えにくく、自分が選別された情報を見ていることに気づきにくいと指摘しています。

身長の動画を何本か見ると、おすすめに「〇cm伸びた」「やらないと止まる」といった強い言葉の動画が並びやすくなります。すると、それが世の中の多くの意見であるかのように感じてしまいます。

また、摂食障害全国支援センターは、メディアやSNSの写真は加工されていることがあり、体型の理想化された写真を見続けると、自分の体の見方や自尊感情に悪い影響を与えることがあるとしています。背の高いモデルや選手の写真と自分を比べて落ち込むのも、同じしくみです。

出典 [2] [3] [4]

よく見かける身長の情報は、どう確かめる?

SNSや動画でよく見かける身長の話と、学会や公的機関の資料で分かっていることを、下の表にまとめました。くわしくは、それぞれのコラムで説明しています。

よく見かける話分かっていることくわしいコラム
このサプリや飲み物で背が伸びる日本小児内分泌学会は、健康な子の背を高くする効果が科学的に証明された成分はないとしている身長を伸ばすサプリは効く?
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22時〜2時に寝ないと伸びない成長ホルモンは、時刻より眠りについた直後の深い睡眠に合わせて出るとされる成長ホルモンは22時〜2時に出る?
骨端線が閉じても伸ばせる方法がある骨端線が閉じたあとは、成長ホルモンがはたらいても骨は伸びない骨端線が閉じたらもう伸びない?
この計算で最終身長が分かる両親の身長からの計算は目安で、実際には幅がある両親の身長から子どもの最終身長を予測する計算式は?

出典 [5] [6] [7] [8] [9]

親子で使える、情報の確かめ方は?

総務省は、ネットの情報にだまされないためのポイントとして、次のようなことを挙げています。身長の情報にも、そのまま当てはめることができます。

出典 [10]

体験談や紹介動画は、どう受け止めればよい?

「本当に伸びた」という体験談は、その人の体質や時期によるもので、ほかの人にそのまま当てはまるわけではありません。思春期には、何もしなくても1年で大きく伸びる時期があるため、その時期に試したことが「効いた」ように見えることもあります。

消費者庁は、令和5年10月1日から、広告であることを隠した宣伝(ステルスマーケティング)を景品表示法違反としています。紹介動画を見るときは、「広告」「PR」などの表示があるか、商品やサービスの購入ページにつながっていないかも確かめましょう。また、医療機関の広告では、治療の効果についての患者の体験談や、誤解をまねくおそれのある治療の前後の写真は、厚生労働省の医療広告等ガイドラインで認められていません。

商品を買おうとしている場面での話し合い方は「中高生の子が自分で身長サプリやグッズを買おうとしたら」のコラムで紹介しています。

出典 [11] [12] [13]

子どもが悩んでいるとき、どう話し合う?

まずは、「そんな動画、見なくていい」と打ち消すより、「その動画を見て、どう思った?」と本人の気持ちを聞きましょう。厚生労働省は、子どもの話を聞くときは、親の意見をいったん脇に置いて気持ちを受け止め、「はい」「いいえ」で終わらない聞き方をすることを勧めています。

そのうえで、本人が気になっている動画を一緒に見て、「この人はだれ?」「何のために作った動画かな?」「元になった資料は書いてある?」と、確かめ方を一緒に試してみましょう。摂食障害全国支援センターも、メディアの情報を、だれが、何のために、どのように作ったのかという視点で見ることを勧めています。親が答えを教えるより、本人が自分で確かめる経験を重ねるほうが、ほかの情報に出会ったときにも役立ちます。

動画をやめさせることが目的ではありません。身長のことを家で話せると分かれば、本人は一人でネットの情報に頼り続けなくてすみます。家族が身長のことを冗談にしたり、ほかの子と比べたりしないことも大切です。

出典 [14] [4]

見すぎてつらそうなときは?

身長の動画を夜遅くまで見続けている場合は、睡眠にも影響します。厚生労働省の睡眠ガイドは、小・中・高校生はスクリーンタイム(テレビ、ゲーム、スマートフォンなどの時間)を1日2時間以下にすることが勧められていると紹介し、デジタル機器を寝室に持ちこまないよう呼びかけています。使い方のルールは、本人と話し合って決めましょう。

厚生労働省は、眠れない、食べる量が減った、体重をとても気にしている、学校に行きたがらない、友だちと遊ばなくなったといった様子を、子どもの心のSOSのサインとして挙げています。こうした様子が続くときは、かかりつけの小児科や学校の養護教諭に相談してください。背を伸ばそうとして食事を極端に変えている場合は「思春期の女の子が「太りたくない」と食事を減らしたら」のコラムも参考になります。

出典 [15] [16]

自分の伸び方は、どこで確かめられる?

ネットの情報は、ほかのだれかについての話です。本人の伸び方を知るいちばんの手がかりは、本人の記録です。母子健康手帳や学校の健康診断の記録から成長曲線をつけると、これまでどのように伸びてきたかが見えてきます。学校の保健室の養護教諭に相談することもできます。

日本小児内分泌学会は、身長が低い原因の多くは体質によるものだが、病気が見つかることもあるとしています。伸び方が気になるときは、小児科で記録を見てもらいましょう。ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。

出典 [17] [18]

SNSの身長の情報についてよくある質問

Q. 子どもが「動画で、自分の年齢だともう伸びないと言っていた」と落ち込んでいます。

A. 背の伸びが止まる時期は、骨の成熟の進み方などで一人ひとり違い、年齢だけでは決まりません。不安が強いときは、記録を持って小児科で相談し、本人の伸び方を確かめてもらいましょう。

Q. スマートフォンを取り上げたほうがよいですか?

A. 取り上げると、親に相談しにくくなることもあります。見る時間や寝室に持ちこまないことなどのルールを本人と話し合い、気になる情報があれば一緒に確かめる関係をつくるほうが役に立ちます。

Q. 親自身も、SNSの情報で不安になってしまいます。

A. 保護者の不安も自然なことです。情報との距離のとり方は「子どもの身長が気になって不安な保護者へ」のコラムで紹介しています。

出典 [15] [19]

まとめ

SNSや動画では、似た身長の情報がくり返し表示され、不安が大きくなりやすいしくみがあります。見ることを禁止するより、だれが何のために発信しているか、元の情報はどこかを親子で確かめ、本人の気持ちを受け止めましょう。本人の伸び方は、本人の記録で確かめることが大切です。

出典 [10] [2]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. こども家庭庁「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」(PDF、令和7年3月)
  2. 消費者庁 消費者教育ポータルサイト「インターネットとの向き合い方 ~はじめてのフィルターバブル&エコーチェンバー~」(総務省作成の教材)
  3. 総務省「令和元年版 情報通信白書」インターネット上での情報流通の特徴と言われているもの(フィルターバブル、エコーチェンバー)
  4. 摂食障害全国支援センター(国立精神・神経医療研究センター)摂食障害情報ポータルサイト「メディアと上手につきあう」
  5. 日本小児内分泌学会「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」(2025年9月8日改定)
  6. Journal of Bone and Mineral Research「Jumping improves hip and lumbar spine bone mass in prepubescent children: a randomized controlled trial」(Fuchs RK ほか、2001年、米国の5.9〜9.8歳の89人、PubMed)
  7. 厚生労働省 e-ヘルスネット「ノンレム睡眠」
  8. 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
  9. 日本小児内分泌学会 Clinical Pediatric Endocrinology「Target Height and Target Range for Japanese Children: Revisited」(Ogata T ほか, 2007)
  10. 総務省 安心・安全なインターネット利用ガイド「【特集】フェイクニュース」(だまされないための確認のポイント)
  11. 日本産婦人科医会「思春期とは」(研修ノート No.106 思春期のケア)
  12. 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
  13. 厚生労働省「医療広告等ガイドライン」(PDF、令和8年3月30日最終改正)
  14. 厚生労働省 こころもメンテしよう「話を聞くときのポイント」
  15. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)
  16. 厚生労働省 こころもメンテしよう「こころのSOSサインに気づく」
  17. 日本小児内分泌学会「低身長」
  18. ノビケア「お問い合わせ」
  19. 厚生労働省「統合医療」情報発信サイト(eJIM)「情報の見極め方」