成長ホルモン治療読む時間 約6分
治療していることを担任の先生に伝える?伝える範囲と伝え方の例
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
成長ホルモン治療をしていることを、学校に必ず伝えなければならない決まりはありません。伝えるかどうか、だれにどこまで伝えるかは、本人の気持ちを確かめたうえで家族で決めてかまいません。伝える場合は、病名よりも「学校で知っておいてほしいこと」にしぼり、担任の先生と養護教諭など、必要な人に限って伝える方法がよく選ばれます。
学校に伝えなければいけない決まりはある?
日本内分泌学会の説明では、毎日打つタイプの成長ホルモンの注射は夜寝る前に家で打つため、学校で注射をする場面はほとんどありません。そのため、治療していることを学校に伝えなければならない決まりはありません。注射の時間や宿泊行事での扱いは「成長ホルモン治療中の学校生活は?」のコラムで説明しています。
一方で、伝えないと決めたあとに、宿泊行事が近づいたり、学校で体調をくずしたりして、急いで連絡することになる家庭もあります。このコラムでは、伝えるかどうかを決めるときの考え方と、伝える場合の範囲と言い方にしぼって説明します。
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まず、本人の気持ちをどう確かめる?
日本小児科学会の「医療における子ども憲章」は、子どもの体や病気のことは本人の大切な情報であり、ほかの人に伝える必要があるときは、理由とともに伝えてよいかを本人に確かめるとしています。学校に伝えるときも、同じ考え方で進めましょう。
たとえば「修学旅行のとき、お薬の冷蔵庫のことで先生に相談したいんだけど、伝えてもいい?」のように、伝える理由を具体的に話します。「先生にだけならいい」「クラスの子には言わないでほしい」など、本人の希望も一緒に聞いておくと、先生へのお願いのしかたが決まります。低学年の子でも、自分の気持ちを言える範囲で聞いてみてください。
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伝えておくと助かるのは、どんな場面?
伝えるかどうか迷うときは、学校生活の中で、先生が知っていると助かる場面があるかを考えてみましょう。次のような場面が、伝えるきっかけになることがよくあります。
成長ホルモン製剤の添付文書には、副作用として、太ももの骨の付け根がずれる病気(大腿骨骨頭すべり症)や、頭の中の圧が高くなることによる頭痛・吐き気・嘔吐などが挙げられています。体育のあとに足を引きずる、頭痛や吐き気を訴えるといった様子を先生が家庭に知らせてくれると、早めに主治医に相談しやすくなります。くわしくは「成長ホルモン治療の副作用」のコラムで説明しています。
- 修学旅行や林間学校など、泊まりがけの行事がある
- 学校で体調をくずしたときに、治療中であることを踏まえて連絡してほしい
- 体育や部活のあとに、ひざや足の付け根の痛み、足を引きずる様子があれば知らせてほしい
- 検査入院や定期の受診で、学校を休んだり早退したりする日がある
- 身体測定の結果や身長のことで、本人が落ち込んでいる様子がある
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だれに、どこまで伝える?
伝える範囲には、いくつかの段階があります。どれが正しいということはなく、本人の気持ちと学校生活で必要なことのつり合いで決めます。
迷うときは、まず担任の先生と養護教諭だけに伝えておき、宿泊行事などで必要になったときに範囲を広げる方法もあります。範囲を広げるときも、そのたびに理由を話して本人に確かめましょう。
- 伝えない:宿泊行事などがない時期は、必要になった時点で伝える
- 担任の先生と養護教諭だけに伝える:体調の変化や行事の相談に備える、よく選ばれる方法
- 学年の先生や部活の顧問にも伝えてもらう:宿泊行事や遠征があるとき
- クラスの友だちにも本人が話す:本人が望むときだけ。友だちへの話し方は別のコラムで説明しています
伝えた内容は、学校でどう扱われる?
公立学校の先生は地方公務員で、地方公務員法は、職務の上で知った秘密を漏らしてはならないと定めています。私立学校では、それぞれの学校の決まりで扱われます。どちらの場合も、「どの先生まで知っていてよいか」を伝えるときにはっきりお願いしておくと安心です。
文部科学省の資料は、養護教諭が、学級担任や学校医、関係機関との連携の窓口として、コーディネーターの役割を果たすことが重要だとしています。担任の先生に話しにくいときや、体調のことを詳しく相談したいときは、養護教諭に先に相談する方法もあります。保健室への相談のしかたは「学校の保健室・養護教諭に身長の相談をするには」のコラムで説明しています。
伝えるときは、どんな言い方がある?
連絡帳や面談で伝えるときは、病名を詳しく説明するより、学校にお願いしたいことを短くまとめるほうが、先生も対応を考えやすくなります。次の例を、家庭の事情に合わせて書きかえて使ってください。
書いて渡す場合は、主治医や医療機関の連絡先は必要なときだけ添えましょう。本人に見せてから渡すと、本人も何が伝わったかを知ることができ、安心につながります。
- 「身長のことで病院に通っていて、家で毎晩注射をしています。学校で注射することはありません」
- 「本人はクラスの友だちには知られたくないと言っています。先生方だけで知っておいていただけると助かります」
- 「頭痛や吐き気、足の付け根やひざの痛みを訴えたときは、家に連絡をお願いします」
- 「修学旅行ではお薬の冷蔵保管が必要になるかもしれません。日程が分かりしだい、主治医と相談してご連絡します」
- 「定期の受診で、早退する日があります。日にちが決まったら連絡帳でお知らせします」
進級や担任の交代のときは?
担任の先生が変わると、前の年に伝えたことが引き継がれているか分からないことがあります。4月の家庭訪問や面談、保健調査票を出す時期などに、改めて伝えるかどうかを本人と話し合いましょう。学年が上がると、「もう先生に言わなくていい」「自分で先生に話したい」と気持ちが変わることもあります。
中学校に進むときは、小学校で伝えていたことが中学校に伝わるとは限りません。部活の顧問や宿泊行事の担当の先生など、伝える相手も増えるため、入学前の説明会などの機会に、だれに相談すればよいかを学校に尋ねておくとよいでしょう。
学校で急に具合が悪くなったときは?
強い頭痛、何度も吐く、けいれん、意識がおかしいといった様子があるときは、治療中かどうかにかかわらず、学校でもすぐに119番や救急医療機関に連絡してもらう必要があります。先生に伝えておくと、救急の場面で治療していることを受診先に伝えやすくなります。
ノビケアで治療を受けている方も、学校行事や受診の予定、学校での体調の変化について、分かった時点でご連絡いただければご相談いただけます。治療を始める前の段階で相談したい場合は、医師による無料相談(ビデオ通話)をご利用ください。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
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担任の先生に伝えるかどうかについてよくある質問
Q. 伝えたら、特別扱いされてしまわないか心配です。
A. 本人が目立つのを嫌がっていることも一緒に伝えましょう。「ふだんどおりに接してほしい」とお願いしておくと、先生も配慮のしかたを考えやすくなります。
Q. 体育を休ませたほうがよいと言われました。
A. 治療中の運動の範囲は、もとの病気や体の状態で違います。主治医に確かめて、その内容を学校に伝えてください。くわしくは「成長ホルモン治療中に運動・部活はしてよい?」のコラムで説明しています。
Q. 伝えないまま修学旅行が近づいてしまいました。
A. 日程が分かった時点で、まず主治医に相談し、お薬の扱いを決めてから、必要なことだけを学校に伝えれば間に合うことが多いでしょう。
まとめ
治療していることを学校に伝える決まりはなく、本人の気持ちを確かめたうえで家族で決めてかまいません。伝える場合は、担任の先生と養護教諭など必要な人にしぼり、学校で知っておいてほしいことを短く具体的に伝えましょう。進級や行事のたびに、本人と一緒に見直すと安心です。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。