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家族性低身長とは?両親が小柄な子の伸び方と、相談したほうがよい場合

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

家族性低身長は、両親など家族が小柄で、子どもも同じように低めに育つ状態で、病気ではなく体質と考えられています。身長は低めでも、毎年ふつうの速さで伸び、成長曲線の線に沿って育つのが特徴です。ただし「家族が小柄だから」と決めつけず、伸びが落ちてきた、両親の身長から見込まれる範囲より明らかに低い、といったときは小児科で相談しましょう。

家族性低身長とは、どんな状態?

日本小児内分泌学会は、子どもの身長が低い原因の多くは、両親も背が低いなどの遺伝や体質によるものだと説明しています。日本大学医学部附属板橋病院も、低身長の原因でいちばん多いのは家族性低身長を含めた特発性低身長で、両親のいずれかの身長が−1.5SD未満のとき、子どもも小さくなることが多いとしています。

米国家庭医学会の学会誌American Family Physicianの総説(2015年)は、家族性低身長の特徴として、両親が小柄であること、両親の身長から見込まれる範囲に収まっていること、1年の伸びの速さがふつうであること、骨の成熟の度合い(骨年齢)が実際の年齢とほぼ同じであることを挙げています。

「家族性低身長」は、家族の体格だけで決まる名前ではありません。伸び方や診察、必要に応じた検査で、ほかの原因が見当たらないことを医師が確かめたうえで使われることが多い呼び方です。

出典 [1] [2] [3]

成長曲線では、どんな形になる?

家族性低身長の子の成長曲線は、平均より下の位置で、基準の線とほぼ並ぶように右上へ伸びていく形が典型的です。位置は低くても、同じ年齢の子と同じくらいの速さで伸びているため、線から少しずつ離れていくことはあまりありません。

American Family Physicianの総説では、5歳から思春期までの1年の伸びの目安は5〜6cmとされています(米国の子どもの資料にもとづく目安で、個人差があります)。低めの位置でも、この程度の伸びが毎年続いているかどうかが、体質かどうかを考える手がかりになります。

反対に、それまで沿っていた線を横切って下がってくる場合は、家族の体格だけでは説明しにくくなります。記録のつけ方は「成長曲線の書き方は?」のコラムで説明しています。

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思春期が遅いタイプとは、どう違う?

小柄に見える体質には、家族性低身長のほかに、思春期の始まりが遅いタイプ(体質性の成長・思春期の遅れ)があります。American Family Physicianの総説は、このタイプでは伸びの速さはふつうでも骨年齢が遅れていて、思春期が遅く始まり、大人になるとふつうの範囲の身長になることが多いと説明しています。親にも思春期が遅かった人がいることが多いとされます。

家族性低身長では、骨年齢は実際の年齢とほぼ同じで、思春期もふつうの時期に始まります。どちらにあてはまるかは、手のエックス線で調べる骨年齢や、思春期の進み方を見て医師が判断します。両方の特徴をあわせ持つ子もいます。

下の表は、総説の説明をもとに、見分けるときに確かめることをまとめたものです。あくまで一般的な傾向で、ご家庭で判断するためのものではありません。

確かめること家族性低身長思春期が遅いタイプ病気が関わる場合
1年の伸びの速さふつうふつう落ちてくることがある
骨年齢実際の年齢とほぼ同じ遅れている遅れていることが多い
思春期の始まりふつうの時期遅い病気によって違う
家族の様子両親が小柄親も思春期が遅かったことが多いさまざま
大人の身長両親から見込まれる範囲ふつうの範囲になることが多い病気や治療によって違う

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両親の身長から見込まれる範囲と、どう比べる?

日本小児内分泌学会の英文誌に掲載された論文は、日本の子ども向けに、両親の身長から大人の身長の目安と、その幅を出す方法を示しています。幅は男の子で上下9cm、女の子で上下8cmと広く、目安どおりになるとは限りません。計算のしかたは「両親の身長から子どもの最終身長を予測する計算式は?」のコラムで説明しています。

American Family Physicianの総説は、成長の見込みが両親の身長から考えられる値より大きく(標準偏差の2倍、約10cm以上)下回る場合を、専門医への紹介を考える目安の一つに挙げています。家族が小柄でも、お子さんがその範囲よりさらに低い方へ外れていくなら、体質だけで説明できるかを確かめたほうがよいでしょう。

なお、親の身長そのものが、親自身の子どものころの病気や治療、栄養状態の影響を受けていることもあります。その場合、親の身長は家族の体質を表す目安として使いにくくなります。思い当たることがあれば、相談のときに伝えてください。

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家族みんなが小柄でも、病気がかくれていることはある?

あります。家族そろって背が低い場合、その背景に、親から子へ受け継がれる遺伝子の変化があることがわかってきています。チェコの研究(J Clin Endocrinol Metab、2019年)では、成長ホルモン治療を受けていた子のうち、本人と小柄なほうの親がともに−2.5SD以下だった33人を調べ、17人(約半数)で一つの遺伝子の変化が原因と判断されました。多くは骨の伸びる部分(成長板)に関わる遺伝子でした。ただし、これは低身長の程度が強い一部の家族を選んで調べた結果で、家族性低身長の子全体にあてはまる割合ではありません。

日本小児内分泌学会の指針は、SHOX遺伝子の異常について、原因が見つからない低身長の子では報告によって1.1〜22.2%(おおむね10%)にみられ、日本の312人の調査では3.8%だったとしています。この異常は親から受け継がれることがあり、腕やすねが短めなど体のつり合いの特徴や、手のエックス線の所見が見つけるきっかけになるとされています。くわしくは「SHOX異常症とは?」のコラムをご覧ください。

こうした原因が見つかると、治療や経過の見方が変わることがあります。遺伝の検査を受けるかどうかは、必要性や結果の受け止め方を医師と話し合って決めます。

出典 [5] [6]

どんなときに相談したほうがよい?

家族が小柄でも、次のような様子があれば、成長の記録を持って小児科で相談しましょう。東京慈恵会医科大学の小児科は、身長が−2.0SD、とくに−2.5SDを下回るような場合や、伸びが悪くなっている場合は早めの受診を勧めています。

強い頭痛や、何度も吐く、けいれんがあるときは、低身長の相談とは別に、すぐに119番や救急医療機関に連絡してください。

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家族性低身長に、成長ホルモン治療はできる?

日本小児内分泌学会は、成長ホルモン治療の安全性と有効性が確立していて保険が使えるのは、成長ホルモン分泌不全性低身長症やターナー症候群など、決められた病気だと説明しています。家族性低身長は、その中に含まれていません。

同学会は、承認された病気以外の低身長に成長ホルモンを使うと、効果が得られないことが多く、有害なことが起こる可能性もあるとしています。原因が見つからない低身長への使用は適応外使用で、保険は使えず自由診療になり、勧められている治療ではありません。くわしくは「自由診療の成長ホルモン治療とは?」のコラムで説明しています。

一方で、くわしく調べた結果、SHOX異常症など承認された病気と診断されれば、保険診療で治療を検討できる場合があります。家族性低身長と言われていても、伸び方に変化があれば、もう一度相談する意味があります。

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家庭でできることは?

母子健康手帳や学校の記録から身長を拾い、成長曲線に書き込んでおきましょう。日本小児内分泌学会は、記入用の成長曲線を公開しています。両親の今の身長に加えて、子どものころの伸び方や、思春期の変化があった時期も、分かる範囲でメモしておくと相談のときに役立ちます。

お子さんには、「家族に似ているね」と伝えるだけで終わらせず、背の高さとは関係なく得意なことや努力を認める声かけを続けてください。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。

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家族性低身長についてよくある質問

Q. 家族性低身長と言われました。もう受診しなくてよいですか?

A. 体質と考えられる場合でも、伸び方が変わらないかを見ていくことが大切です。American Family Physicianの総説は、伸びを正しく求めるには半年から1年ほどあけた測定が望ましいとしています。家庭や学校の記録を続け、伸びが落ちてきたときや次の受診の目安を、医師に聞いておきましょう。

Q. 両親のどちらか一方だけが小柄でも、家族性低身長になりますか?

A. 日本大学医学部附属板橋病院は、両親のいずれかが−1.5SD未満のとき、子どもも小さくなることが多いとしています。ただ、どちらに似るかは子どもによって違い、診断は伸び方などを見て医師がつけます。

Q. 大人になったら、両親と同じくらいの身長になりますか?

A. 両親の身長からの目安には、男の子で上下9cm、女の子で上下8cmの幅があります。両親より高くなる子も低くなる子もいるため、目安は一つの手がかりとして受け止めてください。

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まとめ

家族性低身長は、家族の体質を受けて低めに育つ状態で、ふつうの速さで線に沿って伸び、骨年齢や思春期の時期もふつうであることが特徴です。家族が小柄でも、伸びが落ちる、両親から見込まれる範囲より低い方へ外れる、体のつり合いが気になるといったときは、記録を持って小児科で相談しましょう。

出典 [3] [1]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「低身長」
  2. 日本大学医学部附属板橋病院「低身長症」
  3. American Family Physician「Evaluation of Short and Tall Stature in Children」(米国家庭医学会誌の総説、2015年)
  4. 日本小児内分泌学会 Clinical Pediatric Endocrinology「Target Height and Target Range for Japanese Children: Revisited」(Ogata T ほか, 2007)
  5. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism「High Prevalence of Growth Plate Gene Variants in Children With Familial Short Stature Treated With GH」(Plachy L ほか、2019年、チェコの重い家族性低身長の33人、PubMed)
  6. 日本小児内分泌学会 SHOX異常症の診断・治療指針ワーキンググループ「SHOX異常症の診断・治療指針〜SHOX異常症に対する成長ホルモン治療の適正な使用のために〜」(PDF)
  7. 東京慈恵会医科大学 小児科学講座「低身長」
  8. 横浜市立大学附属 市民総合医療センター「低身長」
  9. 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
  10. 日本小児内分泌学会「成長評価用チャート・体格指数計算ファイル ダウンロードサイト」
  11. ノビケア「お問い合わせ」