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祖父母の身長も子どもの身長に関係する?遺伝の考え方

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

祖父母の身長も子どもの身長と関係しますが、その影響は、両親を通して受け継がれる形で表れると考えられます。三世代を調べた研究では、子どもと祖父母の身長の結びつきは、子どもと両親の結びつきより弱いという結果でした。祖父母の身長は、育った時代や年齢による縮みの影響も受けるため、子どもの身長の目安には両親の身長を使い、伸び方は成長曲線で確かめましょう。

祖父母の身長は、子どもの身長と関係がある?

関係はあります。ただし、子どもは祖父母から直接ではなく、両親を通して遺伝的な性質を受け継ぎます。両親の身長には、すでに祖父母から受け継いだものが反映されていると考えると分かりやすいでしょう。

子どもは、父と母からそれぞれ半分ずつ遺伝的な性質を受け継ぎます。父方・母方の4人の祖父母から受け継ぐものは、その組み合わせのうちの一部で、どの組み合わせになるかはきょうだいでも違います。そのため、ある祖父母に背格好がよく似る子もいれば、あまり似ない子もいます。

アイルランドで三世代を調べた研究(BMC Public Health誌、2012年)では、5〜7歳の子ども529人の身長と、両親・祖父母の身長の関係を分析しました。子どもの身長は、父方・母方どちらの祖父母の身長とも関係していましたが、その結びつきは、子どもと両親の結びつきより弱いという結果でした。祖父母の身長は本人の申告によるもので、ずれが含まれうることも研究の限界として挙げられています。

ノルウェーで、親子、きょうだい、祖父母と孫など、さまざまな続柄の家族の身長を比べた研究(American Journal of Physical Anthropology誌、1992年)でも、身長のばらつきのおよそ8割は遺伝の違いで説明されると推定されました。遺伝と身長の関係そのものは「身長はどのくらい遺伝で決まる?」のコラムで説明しています。

出典 [1] [2]

目安の計算に、祖父母の身長を使わないのはなぜ?

日本の子ども向けに示された、両親の身長から大人の身長の目安を出す式は、父と母の身長だけを使います。この式で出した目安には、男の子で上下9cm、女の子で上下8cmほどの幅があります。祖父母の身長を加えて計算する方法は、この論文では示されていません。

身長には「平均への回帰」と呼ばれる現象もあります。2024年の研究(Children誌、23家族の子ども303人)は、とても背の高い両親の子は両親の身長から考えるより低めに、とても背の低い両親の子は高めになる傾向があると報告しています。家族の中で、親より祖父母に似た身長の子が出てくるように見えるのは、こうした現象や、受け継ぐ組み合わせの違いで説明できることがあります。

学会や公的機関の資料には、祖父母の身長から子どもの身長を予測する方法を示したものは見当たりません。計算のしかたは「両親の身長から子どもの最終身長を予測する計算式は?」のコラムで説明しています。

出典 [3] [4]

祖父母の世代と比べるときは、何に気をつける?

一つめは、育った時代の違いです。文部科学省の学校保健統計によると、17歳の平均身長は、昭和23年度の男子160.6cm、女子152.1cmから、令和7年度には男子170.6cm、女子157.9cmになっています。祖父母が子どもだったころは、栄養などの生活環境が今と違い、持って生まれた体質ほどには背が伸びなかった人もいると考えられます。

先に紹介したノルウェーの研究でも、親子の身長の結びつきは、年長の世代ほど弱くなっていました。研究者は、遺伝と環境が互いに影響しあっている可能性を指摘しています。

二つめは、年齢による縮みです。米国で2,084人の身長を長く追った研究(American Journal of Epidemiology誌、1999年)では、身長は30歳ごろから少しずつ低くなり、30歳から70歳までに男性で約3cm、女性で約5cm、80歳までに男性で約5cm、女性で約8cm低くなっていました。今の祖父母の身長は、若いころの身長より低いことがあります。

出典 [5] [2] [6]

祖父母やおじ・おばの身長が、相談で役に立つのは?

家族の身長の情報が手がかりになるのは、次のような場合です。分かる範囲でメモしておき、相談のときに伝えましょう。

家族そろって背が低い場合、その背景に、親から子へ受け継がれる遺伝子の変化が見つかることがあります。たとえばSHOX遺伝子の異常は親から受け継がれることがあり、腕やすねが短めといった体のつり合いの特徴が見つけるきっかけになるとされています。家族性低身長と病気の見分け方は「家族性低身長とは?」のコラムで説明しています。

出典 [7] [8] [9]

思春期の早い・遅いも、家族に似る?

あいち小児保健医療総合センターは、思春期の早い・遅いには家族歴があることが多いと説明しています。両親だけでなく、祖父母やおじ・おばに「中学では小さかったが、高校で急に伸びた」という人がいる場合は、体質として思春期が遅めの家系である可能性があります。

ただし、家族にそういう人がいるからといって、お子さんも同じになるとは限りません。早熟・晩熟の考え方は「早熟と晩熟の違いは?」のコラムで説明しています。

出典 [9]

家族の身長は、どうメモしておけばよい?

相談のときに家族の身長を伝えるなら、数字だけでなく、その数字がどのように分かったものかも書いておくと役立ちます。下の表を参考に、分かる範囲でまとめておきましょう。全部そろわなくてもかまいません。

とくに両親の身長は、昔の記憶や健康診断の古い記録ではなく、今の実測値を使うほうが正確です。親自身が子どものころに大きな病気をした、思春期がとても遅かったなど、身長に関わりそうなことがあれば、あわせて書き添えておきましょう。

家族メモしておきたいこと
父・母今の実測値。子どものころの病気や、思春期の時期で覚えていること
祖父母本人の申告か実測か。何歳ごろの身長か(若いころか、今か)
おじ・おばとくに小柄、または大柄な人がいるか。体のつり合いの特徴
きょうだい同じ年齢のときの身長の記録

家族の身長より、何を見ればよい?

家族の身長は、伸び方を考えるための手がかりの一つにすぎません。大切なのは、お子さん自身の記録を成長曲線に書き込み、線に沿って伸びているかを見ることです。次のような場合は、記録を持って小児科で相談しましょう。

相談のときは、両親の身長をできれば実際に測った値で伝え、祖父母などの身長は「本人の申告」「昔の記憶」など、どのように分かった数字かもあわせて伝えると、医師が受け止めやすくなります。

出典 [10] [11]

祖父母の身長と遺伝についてよくある質問

Q. 祖父がとても背が高いので、孫も高くなりますか?

A. 祖父の体質の一部を受け継いでいる可能性はありますが、どの組み合わせを受け継ぐかは一人ひとり違います。祖父母の身長から孫の身長を予測する方法は示されていないため、両親の身長からの目安とお子さんの伸び方をあわせて見ましょう。

Q. 「隔世遺伝」で背が低くなることはありますか?

A. 身長は多くの遺伝的な違いが少しずつ関わって決まるため、一世代とばして特定の祖父母に似る、と決まっているわけではありません。家族の中で一人だけ伸び方が違うと感じるときは、隔世遺伝と決めつけず、記録を持って相談しましょう。

Q. 祖父母の身長が分からないと、相談に困りますか?

A. 困りません。医師がまず見るのはお子さんの伸び方で、家族の身長は分かる範囲で十分です。

出典 [3]

まとめ

祖父母の身長も子どもの身長と関係しますが、その影響は両親を通して表れ、子どもと祖父母の結びつきは子どもと両親の結びつきより弱いと報告されています。祖父母の身長は時代や年齢による縮みの影響も受けるため、目安には両親の身長を使い、伸び方は成長曲線で確かめましょう。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、成長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬を処方する2回目の診察には、お子さまにも参加していただきます。

出典 [1] [12]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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両親の身長から、大人の身長の目安を計算する

この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. BMC Public Health「Body mass index and height over three generations: evidence from the Lifeways cross-generational cohort study」(Murrin CM ほか、2012年、アイルランドの5〜7歳の子ども529人と両親・祖父母、PMC)
  2. American Journal of Physical Anthropology「Genetic and environmental contributions to the variance of body height in a sample of first and second degree relatives」(Tambs K ほか、1992年、ノルウェーの親子・きょうだい・祖父母と孫など、PubMed)
  3. 日本小児内分泌学会 Clinical Pediatric Endocrinology「Target Height and Target Range for Japanese Children: Revisited」(Ogata T ほか, 2007)
  4. Children「Accurate Prediction of Children's Target Height from Their Mid-Parental Height」(Zeevi D ほか、2024年、23家族の子ども303人、PMC)
  5. 文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)について公表します」(PDF、令和8年2月13日)
  6. American Journal of Epidemiology「Longitudinal change in height of men and women: implications for interpretation of the body mass index: the Baltimore Longitudinal Study of Aging」(Sorkin JD ほか、1999年、米国の17〜94歳2,084人、PubMed)
  7. 日本小児内分泌学会 SHOX異常症の診断・治療指針ワーキンググループ「SHOX異常症の診断・治療指針〜SHOX異常症に対する成長ホルモン治療の適正な使用のために〜」(PDF)
  8. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism「High Prevalence of Growth Plate Gene Variants in Children With Familial Short Stature Treated With GH」(Plachy L ほか、2019年、チェコの重い家族性低身長の33人、PubMed)
  9. あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
  10. 日本小児内分泌学会「低身長」
  11. American Family Physician「Evaluation of Short and Tall Stature in Children」(米国家庭医学会誌の総説、2015年)
  12. ノビケア「お問い合わせ」